2009-01-01から1年間の記事一覧

『この世界の片隅に 下』 感想の続き。

http://d.hatena.ne.jp/bakuhatugoro/20090507#p1からの続きです。 先日書いた『この世界の片隅に』の感想に、mixiの方でたくさんのコメントをいただきました。 みなさんとやりとりの中で刺激される形で、漠然としていたた思いをかなり形にすることができた…

BS再放送 渥美清 寅さん勤続25年

東京人っていうか、街場育ちっていいますかね、 こういう人間は不自由ですよね。 不自由に生きてるところがありますよね。精神構造が。 これは、地方の人には、説明してもわかって貰えないんです。 ごく少数の、街場の、軒の低い、 東京のそういう、下町で育…

『この世界の片隅に 下』の感想と、清志郎の死について少し

自分がこんなにも、戦前の人々の思いや、暮らしぶりといったものに拘るようになったのは何故だろう。 幼い頃から、明治生まれの母方の祖母と同居し、両親以上に親しい存在だったことがまず大きいと思う。 加えて、個人の自由や平等というものが絶対の正義の…

グラン・トリノ

戦争の地獄と戦時中の息苦しさを潜った結果、「何がどうあろうと、とにかく戦争だけは嫌だ」という、骨がらみの厭戦とある種のリベラリズムを身につけた人たちが、日本にもいる。映画の世界で言えば、例えば池部良、岡本喜八、殿山泰司といった人たち。 僕は…

宮本ブチキレ騒動の気持ち悪さ

日記で書いた息苦しさにちょっと関連するが、エレカシの宮本がラジオの女性パーソナリティに対して生放送でブチキレたことが、ネット上でちょっとした話題になっている。 http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=816460&media_id=59&m=1&ref=news%3Aright%3Aac…

お題目の息苦しさ

最近、竹内洋氏の連載「革新幻想の戦後史」が、福田恆存の『解ってたまるか!』や『平和論に対する疑問』が書かれた時期の事情に触れていることもあって、廃刊(じゃなくて表向き休刊か… 敗戦を終戦と言い換えるのとよく似てる)が決まった『諸君!』を、今…

下馬二五七さん

ショーケンが落車事故を起こした競輪選手を演じていたドラマ『祭ばやしが聞こえる』で、室田日出男さんと一緒に富士吉田の地元のテキ屋の役をやっていた、下馬二五七さんが先日亡くなった。このドラマではじめて知った役者さんだったのだが、坊主頭で身長が…

『ゴーストタウンの花』

ちょっと気になる。 http://d.hatena.ne.jp/aien/20090325/1237941239 http://www.tv-asahi.co.jp/scenario/ 再放送、気にして待ってみよう。

『銭ゲバ』と『ありふれた奇跡』(2)

http://d.hatena.ne.jp/bakuhatugoro/20090314 からの続き。 僕はもともと、山田太一ドラマの積極的なファンではない。 どちらかというと、善意のインテリが、市井の人々やそれを取り巻く時代状況を分析しながら作ったような、ちょっと頭でっかちな印象をず…

ジョーのあした2

TBSの安っぽいバラエティー番組の枠内でやってた、辰吉丈一郎の復帰第2戦と、その前後のドキュメンタリーを観た。 ボクシングについてはトーシロだから、もしかしたら見当違いな感想になるかもしれないが、加齢による体力の衰えをカバーするように、体力ギ…

『銭ゲバ』と『ありふれた奇跡』(1)

最近には珍しく、今期は毎週楽しみに観るドラマが2つもあった。 既に何度かここでも触れている『銭ゲバ』と、山田太一最後の連ドラと言われている『ありふれた奇跡』。 『銭ゲバ』が終盤に入って急に失速している一方で、序盤、展開らしい展開がほとんどな…

不良中年とキリスト

友人で同業者でもある松田尚之さんが、NHK特集「ロシア正教」http://www.nhk.or.jp/special/onair/090302.html(18日深夜に再放送アリ)を紹介する日記に絡めて、先日の僕の「帰省覚え書き」に触れてくださっています。 http://d.hatena.ne.jp/border68/2009…

帰省覚え書き

web日記やblogというのは、公開するのに調度良い内容というのが難しいけれど、今回は随分長くなった上に、ちょっと重くてプライベートな内容なので、そういうのが苦手な人はスルーしてください。 ただ、広く読んでいただきたくないわけではありません。ごく…

5年前からの手紙への返信

最近では、本当に思い出したようにしか更新しなくなったこのブログだけれど、5年ほど前に書いたエントリに対して、当時熱心に内容に向き合って読んでくれたらしい人から、異論のトラックバックをいただいた。 http://d.hatena.ne.jp:80/uedaryo/20090201/12…

今のNHKは本当に凄い。

最近、どうもテリー伊藤が鬱陶しい。 この人には元々、「人間っていうのは猥雑でいい加減な生き物だから、細かいこと言ってても仕方がない、多少ズルくてもあつかましくても、根っこのバイタリティを肯定していれば、それでOK」っていう、哲学というか居直り…

最近、時の流れが加速してるなあ…

さっき、テレビで『20世紀少年』やってるのをぼーっと観ていて、つくづく思った。 こういう映画の企画は2、3年前から動いてるんだろうけど、公開までにまさかここまで、世の中が一気に貧しくなっちゃうとは想像できなかったんだろうな。 そういうこと以…

銭ゲバ

先日、オバマの就任演説と、それに熱狂する人たちの映像を観ていて、今更ながら、彼我の文化とメンタリティの違いを強く感じた。 オバマに比べて日本の政治は、トホホ…ということではなくて、カリスマ的な正しい人が国民に向かって「社会の当事者としての責…