2008-01-01から1年間の記事一覧

私的ベストテンとご挨拶(ちょっと修正)

毎年暮れに同業の友人たちとやってる、今年の私的ベストテン。 http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1032989930&owner_id=155702 http://d.hatena.ne.jp/gaikichi/ 例年よりは多少リアルタイム感があるかも。 といっても1は今年連載終了した後のまとめ読みだし…

赤灯えれじい(続き)

〆切と引越しを目前に控える中、風邪で丸二日ダウン。 首のリンパが腫れて肩が異常に凝り、頭がガンガンして仕事にならないので、だらだらと『赤灯えれじい』の続きを読む。 後半、どんどんシリアスな展開になってきてびっくりした。 このマンガは日常、特に…

きらたかし『赤灯えれじい』

既に連載も完結していて、今更話題にするのも間が抜けてるかもしれないけれど、おっさんなので許してください。 色んな人から、きっと俺好みのマンガだからと薦められていたのだけれど、フリーターとヤンキーのしょっぱい恋愛の話ってことで、読んでて寂しい…

25年目のホットロード(或いは、ガキ帝国・悪たれ戦争)

関西での取材の帰りに、岡山の実家に足を伸ばし、旧友達に近年の地方での暮らしぶりを色々聞いてきた。 中でも特に興味深かったのは、中学卒業以来、約25年ぶりに再会した元ヤンの話。 当時はお互いまだ未分化の動物みたいな状態だし(ネズミとライオンくら…

土曜ドラマ 監査法人

面白い。 もはや、あの『ハゲタカ』を超えてるんじゃないか。 しかし、今こうした「実録路線」をやれるのが、映画ではなく、当然民放でもなく、NHKだけってところが新自由主義状況の限界か。 最初は、塚本高史、松下奈緒、豊原功補といった出演陣の、ポリゴ…

テロも絶望も踏み超えて生き抜く男の物語 松本零士『ワダチ』評お蔵出し

秋葉原の事件の衝撃覚めやらぬ中、奇しくも宮崎勤の死刑が執行された。 あの事件があった20年前は、子供のものだと思われていたマンガやアニメを、いい歳をした大人になっても偏愛し続けるオタク的な趣味が、まだ一般的なものではなかったり、それ以前に、内…

人生という丈夫な命の根が知らぬ間に緩んで、いつでも暗闇に浮き出しそうに思われる。(夏目漱石『三四郎』より)

先日の秋葉原の事件。 こういう事件の度に起こるマスコミやコメンテーターの浮き足立った狂騒に触れるのが本当に嫌なので、必要以上に目にしないように気をつけているのだが、適当にネットを眺めてるだけでも、どうしても視界に入り込んできて気が滅入る。 …

シネマアートン下北沢閉館

http://www.webdice.jp/dice/detail/479/ 船出して間もない『映画時代』としては勿論のこと、近隣に住む邦画ファンとしても本当に青天の霹靂。 神代×ショーケン号の販売では、スタッフの皆さんには本当にお世話になったし、それ以前に現在の好調な売れ行きは…

『映画時代』品薄のお詫びと、再増刷のお知らせ

告知続きで恐縮です。 公式ブログの方で、30日に増刷完了とお知らせしていましたが、通販の予約分と、既に追加発注をいただいていたお店への配本で、既に在庫が底をついてしまいました。 これから急いで再増刷をかけたいと思いますが、いくつかのお店に配本…

『映画時代』反響への感謝と、新規取り扱い店のお知らせ

『映画時代』、正直予想外の反響の大きさに驚いています。 発売開始3日にして、劇場を中心に追加発注が相次ぎ、通販分のストックが早くも底をついてしまいました。 遠方の方には、入手しにくい状況になってしまい申し訳ありません。 品切れの際には、タコシ…

サム・ペキンパー2題

臆病だからか、旧い人間だからか、どうも自分は、「自立した個人が、因習や既成概念に縛られず、また自分の個人的な背景や感情を越えて、フラットに社会に向き合う」といったことを、絶対の正論のように軽々と口にして照れることのないタイプの人を、信用で…

「映画時代」店頭販売開始のお知らせ

「映画時代」創刊準備号(特集・神代辰巳×萩原健一)。 いよいよ明日から首都圏での店頭販売が始まります。 取扱店は以下をご覧下さい。 シネマアートン下北沢 http://www.cinekita.co.jp/ ラピュタ阿佐ヶ谷 http://www.laputa-jp.com/laputa/main/index.htm…

『映画時代』特集:神代辰巳×萩原健一

『ロック画報 特集 映画×ロック』でご一緒した佐藤洋笑さん、膳場岳人さんと、『映画時代』というミニコミを立ち上げることになりました。 東京近郊の邦画系リバイバル館での特集上映に合わせて記事を作ったり、普段メジャーな映画雑誌で取り上げられにくい…

プロレスについて

シネマスケープでの映画評を愛読しているペンクロフ氏による田村×船木戦(そして、そこから敷衍したプロレス、UWF)に対する文章http://d.hatena.ne.jp/Dersu/20080503の中の オレは何らかのフィクション、虚構、概念を背負って闘う人間に惹かれるのだ。 と…

長谷川和彦論 追捕

今回掲載になった長谷川和彦論は去年の8月に書いたもので、まだ若松孝二監督の『実録・連合赤軍』は公開されていなかった。 しかし蓋を開けてみると強烈な傑作で、正直、二十年以上停滞が続いているゴジ版『連赤』は、さらに高いハードル超えを課されてしま…

「パンドラvol.1 side-B」告知の続き

「昔の映画って、どうしてあんなに画面も話も暗いんだろう」って、思う人は多いはず。 煮詰まった男が銀行強盗やらかしたり、ビンボーな不良が毎日ドツキアイに明け暮れていたり、「日本の俳優はヤクザと軍人の役だけは似合う」なんて事が言われていたり。 …

『かけがえのない俺・長谷川和彦について』

講談社BOXから出た、『パンドラSide B』というライトノベル雑誌に、長文の長谷川和彦論を書きました。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062145022/hatena-22/ref=nosim 実は、この文章を書いたのは去年の夏。雑誌の創刊時期が二転三転して、どう…

『音楽誌が書かないJポップ批評52 X JAPANの全軌跡』

『Blue Blood Tour 爆発寸前GIG』のビデオレビューを寄稿しました。 久しぶりのJポップ批評登板ってこともあって、本当はもっといっぱい担当したかったんだけど、残念ながら時間が無く、今回はこれ一本だけの参加。 勢い余ってレビューというより総論っぽく…

私のこだわり人物伝 色川武大

http://www.nhk.or.jp/shiruraku/200803/tuesday.html 紹介者が柳美里ってことで、敬遠している人も多そうだけれど、番組の出来が凄くいい。 特に、松田優作の時にも登場した切り絵風のアニメ映像が良い。 第一回の『狂人日記』では、色川作品に頻出する、猿…

introさんに、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』のレビューを寄稿しました

http://intro.ne.jp/contents/2008/03/15_2014.html この映画、自他のエゴや弱さを認められずに超えようとした人間達の失敗を、いかなるカリカチュアにも逃げず、共感と怒りがない交ぜになった静かな緊張を貫いて撮り切った、凄い傑作だと思います。 それだ…

『野獣刑事』(82年東映セントラル 監督工藤栄一 脚本神波史男)

シネマアートン下北沢の特集上映「映像の刺客・工藤栄一」http://www.cinekita.co.jp/schedule.html#kudouに合わせて、introさんに『野獣刑事』のレビューを寄稿しました。 http://intro.ne.jp/contents/2008/02/03_1619.html 集団抗争時代劇の傑作を含む特…

空が少しだけ高くなる文章

http://d.hatena.ne.jp/heimin/20080111/p1 平民新聞さんによる、「おいどん」のモノローグにご自身の体験談を絡めて語られている文章。 色川武大の『怪しい来客簿』を、ちょっとだけ思い出した。 (あるいは、坂口安吾の「救いがないこと、それ自体が文学の…

おいどんで煮詰まったら『ワダチ』を読め!

大切な物を妻に捨てろと言われた - Aerodynamik - 航空力学 http://d.hatena.ne.jp/aerodynamik/20080110/p2 『男おいどん』は捨てた方がいい http://d.hatena.ne.jp/gotanda6/20080111/otoko 「【B面】犬にかぶらせろ」で紹介されていた、奥さんに『男おい…

深作欣二と笠原和夫

数年前に観た『資金源強奪』『やくざの墓場 くちなしの花』という2本の映画が、近年の自分の在り方に大きく影を落としていることは間違いない。 深作作品をはじめとする、70年代東映暴力映画の現在の受け取られ方を見ると、「綺麗ごと言ったって、人間ひと…