2006-01-01から1年間の記事一覧

今年の私的インプットベストテン

ライター友達とやってた「線引き屋」というグループの恒例行事になっていた、その年の映画や読書のベストテン。 近年、どんどん自分のテーマがはっきりして来たことに比例して、そこと直にリンクしない新作、新刊への興味や思い入れが薄くなり、数年前からジ…

愛すべきマンネリズム

岸田今日子、青島幸男、実相寺昭雄、そして今度はJBか... 今年も暮れになって、大物の急逝が続きますな。 丹波も、上等兵殿もそうだけど、物心つくまえから空気のようになじみだった人たちが、だんだん、ぽつぽつと消えていくのは寂しいものだ。 でもその…

わが青春のトキワ荘 現代マンガ家立志伝

チャンネルnecoで、81年に製作されたNHK特集「わが青春のトキワ荘 現代マンガ家立志伝」を観た。 何より動く寺田ヒロオが見られるということもあり、『まんが道』、トキワ荘伝説のファンとしてはずっと見たかったドキュメンタリーで、放映を心待ちにしていた…

悲しい断絶

友達の少ない同居人に、久々に上京している地元の旧友から連絡があり、昨日は嬉しそうに出かけて行った。 彼は中学、高校の頃、同居人にブルーハーツや尾崎豊、バンプオブチキンなどを紹介してくれた純朴な人物らしい。彼女は当時、どんくさかったりナイーブ…

『嫌われ松子の一生』

同居人が借りてきた『嫌われ松子の一生』のdvdを観る。 とにかく中島哲也監督の前作『下妻物語』が嫌いなので、「悲劇的な人間の一生をミュージカル仕立てで映画化」という前情報だけでもう反発を感じて、今日まで観る気がしなかった。 『下妻』は、いまどき…

「県警対組織暴力」をもう一度

大西ユカリと新世界の新譜に「「県警対組織暴力」をもう一度」という一曲が収録されていることを、尊敬するシナリオライターの高田純さんが日記で紹介されているのを読んで知る。 ソウルムービーのタイトルを冠した曲をどうしても聴きたくなって、そのまま近…

ジョーのあした

新宿花園神社の酉の市に行って、屋台で一杯ひっかけた後、帰りの電車の中吊りで「Number」の広告が目に止まる。 特集「越境秘話 彼らは何故、安住の地を捨てたのか」、興味を惹かれて帰りにコンビニで立ち読みしていくかと思いながらふと目を落とすと、小さ…

中上健次と松田優作

中上健次は、自分にとって長い間位置づけの難しい作家だった。 小説、特に初期から中期にかけてのものには、好きとか嫌いを超えて、とにかく圧倒される。 センテンスの息が極端に長いかと思えば、単語ごとに句点を打ち、小刻みに呼吸しているようなところも…

いじめと『ワダチ』

いじめ自殺事件、というよりも政府のいじめ対策についてのニュースを見ていると、何とも嫌〜な気持ちになる。 事件の後で「いじめは無かった」と主張する先生はスゴイなと思ったけど、今言われている対策のやり方だと、ますますみんな「ないこと」にしなけれ…

団塊パンチ ちあきなおみ特集

団塊パンチという雑誌には、どうにも微妙なムズガユさを感じる。 「未来は過去にあり」というコンセプトには大まかなところでは共感するんだが、(一応表向きの受け手に設定しているとはいえ)対象が「団塊」ってところに興味が出ない。 昭和元禄の狂騒と開…

『傷だらけの天使』の続編が萩原健一主演で映画化

http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20061101-OHT1T00091.htm 本決まりだとしたら、掛け値なしに物凄い企画としか言いようが無い。 ショーケン、例の『透光の樹』降板騒動ではキビシイ現状を晒すことにもなり、世間に袋叩きにあったりもしたが、…

追記

はてなを含め、ネット上でのこの騒動への関心?はかなり大きいようで(ま、ほとんどは唯のやじうまだと思うが...)、久しぶりにトラックバックをもらったりもしているのだけれど、 http://d.hatena.ne.jp/sidewalk/20061020 http://d.hatena.ne.jp/toronei/2…

問題はパクリ云々じゃない

例の松本零士、槇原敬之間の盗作騒動。 http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2006/10/19/01.html 自分は最近のパクリ、パクリと鬼の首を取ったようにやりあう風潮は不快だし、著作権なんて創作者の生活を守る為の方便みたいなもので、極論するとパ…

セーラー服と機関銃

一昨日はオグラ君のレコ発LIVEに行く予定だったんだけど、体調すぐれず断念(こちらからお薦めしておきながら不義理してしまったみなさん、ごめんなさい)。リメイク版『セーラー服と機関銃』の第一回を観る。 相米×薬師丸ひろ子の映画を観たのは中一の時。…

追記

例えばあの『探偵物語』の魅力の大きな要素として、「俺も工藤ちゃんタウンに住みたい」「街の仲間に入りたい」というのがあった。 田舎からあぶれた、ちょっといかがわしく、くたびれた連中の優しい吹き溜まり。 『ディアスポリス』も、後ろ盾のない個人、…

すぎむらしんいちの新作

アッパーズ廃刊でちょっと中途半端に終わってしまった『サムライダー』以来、モーニングで久々に始まったすぎむらしんいちの新連載『ディアスポリス』。 『超学校法人 スタア学園』以来、固定ファン以外の目に触れる機会が減っていたので、特に古谷実や望月…

『オグラBOX』を推薦します

はじめてオグラ君を見たのは、もう15年以上前の90年代前半。 今は亡き『シティロード』誌のデモテープ紹介コーナー「どっこい音自慢」に大学の後輩が取り上げられ、このコーナーの参加者が一堂に会した下北沢レッドホット(現在の251)でのイベントに出かけ…

辰吉復活か!?

http://www.pressnet.co.jp/osaka/2006_09/0909_01.shtml http://www.pressnet.co.jp/osaka/topnews.shtml いい大人がいつまでも子供ヅラして、ヘタレな自分を「みんなそうだから」ってふうに曖昧に言い訳しながら、キモチ悪い薄ら笑いばかり蔓延させて恥じ…

復活!高円寺70’歌謡BAR VELVET

告知もう一つ。 一昨年惜しまれつつ閉店した、夜の高円寺奥の院とも言うべき最強の歌謡曲BARベルベットが復活しました。 新しい店内は以前よりかなり広くなり、雰囲気もぐっとお洒落になっていますが、何より特筆すべきはサウンドシステムのグレイドアッ…

告知 井上尭之ライブ

9月16日に、西東京市のこもれびホールで、井上尭之さん久々のライブがあります。 ショーケンのアンドレマルローバンドや、井上バンドの再結成メンバーでもあるミッキー吉野さんや渡辺健さんも参加。 アコースティック編成とバンドの二部構成になるようで…

色川武大とナショナリズム

最近、実家に帰る機会が急に増えると同時に、実際に生活を共にしてしまうと親との根本的な軋轢が全く変わっていないことを度々認識させられ、そのことによって自分の来し方を考える機会が増えた。 そんな時に紐解くのが、色川武大の父親との関係をはじめとす…

8月の光 2

都市部ではもうずっと当たり前のことだと思うが、今回の伯母の葬儀は通夜から斎場を借りて行ったので、傍目にもかなり楽になったなと思う。 数年前、実家で親族の葬式を出した時には、経済的な都合もあって、自宅と近所の公民館を借りてやったから大変だった…

8月の光 1

父方の伯母の葬儀のため、また先週末帰省してきた。 こちらでの、日常非日常、仕事と趣味が地続きのまま、平気で混濁しっぱなしの毎日と、あちらに放ったらかしてある現実の間に宙ぶらりんになる落ち着かなさのため、道中、何か胸に響く読書がしたくなる。 …

猫と子供

漱石の『永日小品』に入っている『猫の墓』という文章が好きだ。 ものうさの度をある所まで通り越して、動かなければ淋しいが、動くと尚淋しいので、我慢して、じっと辛抱しているように見えた。その眼つきは、いつでも庭の植え込みを見ているが、彼れはおそ…

野球、ちばあきお、大島弓子

今年は高校野球が面白かった。 まるで、『キャプテン』や『プレイボール』を読んでるみたいに、面白い試合が多かった。 面白かったと言っても、今の俺は日常的に地上波放送を観る習慣が無くなっているので、近所の定食屋のテレビで昼飯食いながらたまたま観…

続・小心、繊細なお人よし達の話

高校の頃、こんなことがあった。 3年生時の体育祭。俺の母校では毎年応援合戦を派手にやるのが恒例になっていたのだが、夏休み中もかなりの日数を使って練習するので、受験前の3年生にはキツい。特に応援団長には相当な負担がかかる。 自分のクラスは男子の…

小心、繊細なお人よし達の話

「淡白で、手先が器用で、きれい好きなところが身上だが、他人のことが目につき、重箱のすみをせせって、小さな争いがたえず、心にしまって、我慢ということができない。 よその土地にゆけばわが郷土人の性質がはっきりわかるものだ。日本人同士はいつもいが…

最近の諸々

●亀田興穀のタイトル戦。 はじめて面白く観た。これでようやく「始まった」って感じだ。 相変わらず上体は固いし、攻めの詰めは甘い。 かつての鬼塚を思わせるような、不器用なファイトスタイル。 でも、パワーと根性は確実にある。 初回のダウンからの立ち…

『祭ばやしが聞こえる』エンディング画像

http://www.komatomo.com/tv/shoken/index.html

『すいか』と『祭ばやしが聞こえる』

mixiでまっちゃんやまさかり君が薦めてくれた「すいか」を、遅まきながら僕も録画して観てみたんだけど... 正直、生活やディティール抜きのところで「気の持ちよう」だけを言ってるようで、僕にはまったくリアリティが感じられなかった。例えそれが「日常」…