2010-01-01から1年間の記事一覧

2010年 私的ベストテン

毎年の恒例になっている、備忘録兼ねた私的オールジャンルベストテン。 コメントが途中ですが、残りは後ほど。 1位 『河童のクゥと夏休み』 今年公開の『カラフル』が好印象(特に、取り巻く日常の風景含めた地味な中学生男子2人の友情の描写が)だったので…

『キック・アス』最高だった。

『キック・アス』期待を大きく超えて素晴らしかった。 ダメ男のペーソス系青春映画と、荒唐無稽な劇画アクションヒーローものという、どちらにしろフォーマットが出来あがり過ぎて、自家中毒の臭みを引きずりがちなジャンル映画二本分の企画を、強引に一本に…

色川武大『文体についてかどうか分からない』について

この文章は、ワタナbシンゴさんhttp://twitter.com/shanti_aghylとのツイッターでの会話と、荻原魚雷さんのブログの文章「文壇高円寺 - 文化の基盤」http://gyorai.blogspot.com/ に触発される形で、半ば返信として書きました。 お二人の力を借りて、もやも…

6日追記

mixiの方で感想をやりとりしていた敬愛するマイミクさんから、「今ヤマトを作るなら、「ロッキー」や「がんばれベアーズ」のような、敗者の失地回復ものという部分を軸にすべきではないか」という意見を伺い、これは本当にその通りだなと思った。 (まさにパ…

5日追記

いわゆるオタク第一世代にとってヤマトというのは、SFを一般的なものにしたルーツであり礎であると同時に巨大なタブーなんだなと、実写版に対する彼らの斜に構えた感想を見ていてつくづく思う。 この社会に初めて登場した生粋の消費個人主義者(あるいは、ミ…

space battleship ヤマト

公開初日の水曜、アサイチで観てきた。 つい先日もNASAの地球外生命体(!?)に関する発表予告に興奮したけれど、あのヤマトが30年後(いや、四捨五入すればほとんど40年か…)実写で、それも時のトップスター達の出演によって映画化されていることが、当時夢…

23日追記 テーマ曲2曲について

http://twitter.com/hitokirigoro より。『カラフル』 映画の主題を考えれば、本当は劇中歌にも『青空』より『僕が僕であるために』が相応しかったと思う。 『カラフル』「僕が僕であるために」、良かれ悪しかれ尾崎豊のアーティストイメージ(+今となっては…

『カラフル』(監督 原恵一 アニメ版)

『カラフル』、郊外のシネコンで、夏休みの中高生や親子連れに囲まれ、初日に観に行ってきた。 正直、前半の展開はちょっとぎこちなくてカッタルかったし、描かれ語られることに小さな疑問や違和感もいくつか感じた。必ずしも、疵瑕のない大傑作だとは思わな…

カラフル(原恵一監督 アニメ版)

尾田栄一郎に笠原和夫を読ませたい

ジブリのポッドキャストの尾田栄一郎登場回を聴く。http://www.tfm.co.jp/asemamire/index.php?catid=173 文献に頼らず、手当たり次第に時代劇と任侠映画観まくってる、少年時代から一貫した独立独歩ぶりに好感。about 23 hours ago webから尾田栄一郎先生、…

紙屋研究所のワンピース批判に応える

https://twitter.com/hitokirigoro より。 初期ワンピースは、カラッと突き抜けたルフィのキャラクターを軸に、それぞれに弱さや理由を持つ連中が仲間になる過程(人情)を丁寧に描き、その上で自由の代償としての覚悟と矜持を示して、アンチロマンに自家中毒…

『アウトレイジ』

http://twitter.com/hitokirigoro より。『アウトレイジ』色々批評や感想並べるのが野暮に思えるような、上出来の男性向けプログラムピクチャー。堪能しました。 約19時間前 webから 『アウトレイジ』シャープで低体温な画と劇伴。余計な反省も言い訳も説明…

井筒和幸『ガキ以上、愚連隊未満。』

井筒和幸『ガキ以上、愚連隊未満。』プレイガイドジャーナルの連載を中心にまとめた名著『あの娘をペットにしたくって』の焼き直し+続編的な内容ながら、密度の濃さはそれ以上。同時代の世相と映画、自作や周辺の映画人など、固有名詞あげてのぶっちゃけ寸評…

『ヒーローショー』

http://twitter.com/hitokirigoro より。『ヒーローショー』傑作。それも監督の「芯」がすべて詰まった真の意味でのデビュー作『ガキ帝国』、そして「これぞ娯楽映画の王道」というべきキャリアの発展的集大成『パッチギ!』に次ぐ、新たなメルクマールと言…

『サマーウォーズ』と『息もできない』と家族について

『息もできない』について食事のシーンを切り口に書かれていた感想http://bit.ly/cIxXcdが面白くて(この映画に関心ある方には、是非ご一読をお薦めします)、コメント欄でもやり取りをさせていただいたid:Kai1964さんが、最新のエントリーで『サマーウォー…

町山×宇多丸『ハートロッカー』論争と、『息もできない』

昨日の日記http://d.hatena.ne.jp/bakuhatugoro/20100404で紹介した松田尚之さんhttp://d.hatena.ne.jp/border68/と、その後mixiのコメント欄でやり取りを続けていたところ、『息もできない』そのものから話が膨らんで、常々自分が漠然と感じていた昨今の映…

5日追記

自分が感想見て回っていて気になったのが、この作品が父性原理を否定しているとか、(ラストに描かれる)父親抜きの疑似家族をそれに対置しているってふうな見方が(主に頭の良いタイプの人に)かなり多いこと。 「竜二」や「スカーフェイス」などのチンピラ…

『息もできない』2回目

J:COMのオンデマンド放送で、『息もできない』2回目の観賞。 既に大筋を知った上でじっくり映画を味わってみて、あらためてはっきりとこの映画を好きだと思った。ついでに、信頼する同業者の松田尚之さんの感想日記http://bit.ly/aMk4zFにコメントつけよう…

『息もできない』感想追記

http://d.hatena.ne.jp/bakuhatugoro/20100324の追記昨日の『息もできない』の感想、他の作品と並べて、この映画に足りないものばかりを並べたてるような、ちょっとアンバランスな文章になってしまった。 実はこの映画に距離が取れずに「照れている」のは、…

『息もできない』ヤン・イクチュン監督・主演

殺風景な路地裏風の坂道の途中ですれ違う、短髪ガニマタの与太者と、制服に野暮ったいピンクのカーデガンを羽織った女子高生。与太者が無造作に吐いた唾が、タイミング良く女子高生のネクタイに命中。向こうっ気の強い彼女は、悪びれない与太者にビンタを一…

生き続ける浅川マキの歌と、ショーケンの復活

菊地成孔が、一時代を極めた人がその後も世界を一途に守った結果、独特に自己完結したまま世の流れから隔絶した、ファニーな(けれど少し寂しい)老人の姿を描写しながら、浅川マキを追悼している。 http://bit.ly/Ot2HT 晩年の十何年か、何十年かの浅川マキ…

浅川マキが死んだ!?

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1391647778&owner_id=667433 http://www.emimusic.jp/asakawa/main.htmLIVEは観たことがなく、新譜を熱心に聴いていたわけでもなく、もっぱら昔のレコードで聴く付き合いだったけれど、いま現在の自分にとって、他に代わる…