『戦中派動乱日記』


このところ、毎年夏の発売が恒例になっていた、20代の山田風太郎による戦中、戦後の日記。昨年出た『戦中派闇市日記』の帯でも予告されていたので心待ちにしていたが、今年は夏を過ぎてもいっこうに店頭に並ばずがっかりしていたところ、ようやく発売。
だんだん作家活動が本格的になり、さすがに日々の記述が淡白になってきたか、と思いきや、ぱらぱらめくっただけでも早速、

林房雄坂口安吾はジャジャ馬の双璧である。そしてどっちもたいへんな毒舌家である。しかし大体に於て林は強きものの権威により、坂口は弱者の側に立つ。(尤も強い方にゆくのが不正で、弱者の側につくのがその論必ず正しいとは限らない。)

なんて、ドキっとするような端的で鋭いフレーズを随所に発見。


当面の仕事をさっさと片付けて、じっくり熟読したい。
特に、朝鮮戦争勃発時の記述に興味あり。


戦中派動乱日記―昭和24年・昭和25年

戦中派動乱日記―昭和24年・昭和25年