あと、下で触れた町山さんの日記への一抹の危惧というのは、

http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/
例えば、ここで書いたマイケル・ムーアに対する思いと、そのままかぶる感じです。
http://d.hatena.ne.jp/bakuhatugoro/20030910


「弱者や大衆の味方」というところに、自分の正義を置こうとすると、大衆の望むことの内実っていうのはとても場当たりで流動的なものだから、いきおい、「彼らこそが真の大衆」と言い張りあうような隘路に迷い込んだり、人間が普遍的に持つ都合の悪い部分を前提に踏まえ損ねて、その時々の(自分の思う)大衆の支持で自己正当化、という欺瞞に陥ったりもしがち。
かといって、だから大衆、人間を蔑視、というところに短絡しちゃうんじゃなくて、大衆の(表面的な)言葉や支持に依存せず、けれど現実としての大衆は前提として踏まえながら、正しさを模索するという、自立した姿勢が大切だと思う。大衆(多数)に媚びず距離をとり、時に毅然と世論に逆らう勇気が。
町山さんはセコイ弱者たたきや状況便乗が嫌いな、偽悪を装った実は真のヒューマニストだから、強いところを叩いて結果的に持ち上げられやすかったり、括弧に括られやすかったりするけれど、必要なときは毅然と多数や自分の支持層やコミュニティを批判できる人だと、俺は信じているけどね。