予告です

俺の大雑把な印象でしかないんだけど、岡田さんに限らず、オタク第一世代の人たちっていうのは、なんだか「曖昧な弱さ」「グレーゾーン」を嫌って、自分の思想をはっきり押し通すために、すごく観念的で極端なことになってんなあ...と感じることがどうも多い気がする。
(それ以前の世代に比べ、穏当な諦念を受け入れるには周りが豊かで明るすぎ、彼ら自身も学校的なものの中でプライドを暖めすぎた。そして、それを穏当に相対化する気になれるほど、まだ世の中も緩くなかったから)
下で取り上げた浅羽さんの「流行神」で犬童一心監督『ジョゼと虎と魚たち』が取り上げられていて、これを「部落差別」を裏のモチーフとする映画だと捕らえて、「最低の生活をそれ以下にしないための、弱者のシビアな諦念」が語られ激賞されていた文章自体には非常に共感し、すぐDVDで観てみたんだが、結論から言うと、俺は「あのド外道映画は絶対許さん!」という感想だった。
(ほんとにどいつもこいつも、『キャシャーン』のナイーブな破綻の揚げ足取りイジメとかやってるヒマがあったらに、この映画見て「静かに現実を直視」なんてうっとりしてる、てめえの無神経を自覚しやがれっての!)
浅羽さん、世間論で民主的平等感の欺瞞を叩くことに固執するあまり、「場合により人により」の現実によりそって、しっかり見ることをしなくなっちゃってるというか。
結果、弱者の諦念を称えることによって、実はこちら側の引き受けるべきものを処理してしまっている、あの映画の欺瞞を見過ごしている。
その辺もからめつつ、次回は「ジョゼ」の感想を書いてみようと思ってます。


http://d.hatena.ne.jp/bakuhatugoro/20040817
へ続く。