杉並区の選挙結果を嬉しくない1住民の弁

革新系候補や女性候補が大勢当選して地元は浮かれ気分だけれど、正直、自分はあまり嬉しくない。
地元民が望まない、街の在り方にそぐわない再開発が強引に進められたり、理由も定かで無いうちに児童館が減らされたりといったことにこれで歯止めがかかるなら結構なことだが、それよりも隣人たちが、自分たちの内心や実力を省みることなく、自惚れを深め自己懐疑を失うことの方が嫌なのだ。ただ自分が便利に心地良く暮らせれば幸福だとは思わない。
僕らは、自分が譲ったり、身を切ったり、リスクを取ったりして善を為しているわけではない。たかが多数決を勝利だと思ったり、そこに善や希望を見たりすることは出来ないし、逆に負けたからといって絶望したりもしない。たかが、利害のつばぜり合いじゃないか。戦争に勝った負けたと騒ぐのも、選挙に勝った負けたと騒ぐのも、違うのは直接的な暴力の有無くらいで、本質に大した違いは無いと思っている。
たまたま条件のいい場所に住んで、自分がじかに手を汚す現場から離れているからといって、余裕なく功利的になる地方の人々を蔑み、口汚い言葉を投げるような隣人たちを情けなく思う。
維新が駄目で、他の野党は綺麗だなんてことはまったく思わない。生々しい利害の現場から遠いところで、思い込みや奇麗事に閉じこもっているだけだ。