『らんまん』本当に好きになってきた

昨日見損ねていた『らんまん』の録画を今見ている。このドラマ、なんだか本当に好きになってきている。自分は、主人公のように育ちの良いお坊ちゃんだったわけではないけれど、なんだかとても懐かしく、ストレートに感情移入して見てしまっている。こんなことは随分久し振りだ。
新しいものや文化への憧れと、自分の生まれや環境に馴染めていないコンプレックスや後ろめたさ。それが、明るく優しい希望のように描かれている。思春期の頃、ドラマ版の『まんが道』を見ていた気持ちが重なる。
けれど、まだ見ぬものにウブに希望を持って揺れていたあの時代と違って、今は憧れが無いから、意識的にそれを思い出そうとしているドラマではないか、とも思う。そして、遠い憧れを持ち夢中になることも、故郷の人々やそれに後ろ髪を引かれている切なさも、どちらも否定的に描かれていないことにほっとするし、そういう視点が育っていることを嬉しく思う(だから、オープニング曲の「私は決して今を憎んではいない」というフレーズを、そのまま肯定的に聞ける。共感する)。世の中の人たちが現状にほどほどに満足してしまうと、ベタでちょっと恥ずかしいものになり、一度色褪せて否定され、忘れられていた気持ちだから尚更に。