社会を企業と消費者から労働者の手に取り戻す

コスパとか合理性が最重要のように云われる風潮が本当に嫌いだ。人間はそんなに本能や欲望が固定された合理的な存在ではないし、一人一人がそれぞれの事情による、未知を常に生きていることが忘れられて、便利に画一的な正解ばかりを求めたり、求められたりするループにはまり過ぎていると思う。
加えて、コンビニバイトなどを考えるとわかりやすいけれど、企業にとっての合理性が追求された結果、末端に複雑な業務が低賃金で押し付けられ過ぎている。企業や社会に本当に余裕が無いとして、安価な労働力を求めるならば、企業も、そして僕等消費者の側も、過剰なサービスを求めるべきじゃない。不便や手間は当然と考えて、時間や負荷を分け合う発想が必要だと思う。
言い方を変えれば、企業はしかるべき立場にある者が責任を明確にして、過剰なクレームをはねつけるリスク、消費者は無制限な快適やサービスを当然と思わない、お客様感覚(これが高じるとクレーマーになる)を相対化することが必要だと。
企業と消費者の方ばかり向いた社会を、労働者に取り戻す(各々の意識を消費者としての自分から、労働者としての自分に戻すこと)ことが必要なんだと思う。