弱者の陥りがちな罠への覚え書き

そう何もかもに、はっきりとした解決があるわけはない。解決が無い問題にじっくり取り組み続けることは大切だけれど、充分な解決は「ある」と思い込んだり、期待し過ぎたり、急ぎ過ぎたりすると、必ず見えないところで立場の弱い者にしわ寄せがいく。

「人が出来ることが出来ない」という解決の無い問題を、わがことと思って取り組んでくれる人は、大抵同様の苦痛を抱えている人で、だからともすれば、そこをクリアーできている、クリアーすべきだと思っている世間から見ると、それが切実なグレーゾーンであるほど、単に駄目な連中の我が儘だったり、取るに足りないものだったり、問題にするに当たらない小さな特殊な事例と見えてしまったりもする。
だからこそ、世間に期待しすぎたり、絶望しすぎたりして、気持ちをこじらせ、下手に内向きに固まって孤立を深めてしまわないように気をつけないといけない。
十全な理解以外にも、提携の方法を探らなければいけない。

自分(たち)こそが真の、優先されるべき弱者だという思い込みに逃げ込まず、自分を主張する時に不都合になりがちな次元を異にする弱者の存在を、無視(することの正当化)を避ける。
つまり、敵味方思考に陥ることを極力避ける。

「みんなそうなんだから自分だってこれくらい構わない」という思考を極力遠ざけて自立する。
しかし、他者の処世上の問題やわがままは、この考え方でなるべく容認する。
綺麗事を言っているようだけれど、人間どうしても自分には甘いから、このくらいのつもりでいる方が大抵実際に近いし、心のバランスも保てる。

弱者の陥りがちな罠への覚え書き。