あけましておめでとうございます。


年末年始は、旧友との再会が多かった。
仕方の無いことながら、生活の場所が違うと、興味対象や感覚の距離も大きくなっていって、年々徐々に疎遠になる友人達も多いんだけど、この齢になるとそれぞれ現在の場所にも定着して、むしろ人間って変わらないもんだなという感慨を持つことの方が多い。それぞれに場所を得ることに必死になる時期が過ぎて、自分も含めて元々の資質や原体験に対して、良くも悪くもストレートになってきている。
それで、直に話題の接点を持てないまでも、時間を感じさせないほどの「相変わらずぶり」に、ちょっと驚いたり、それが新鮮だったりする場面が多かったし、覚悟を決めて自分の仕事をするのもお互いこれからだなと思った。


晦日は大学時代の友達と集まって、例年通りテレビで格闘技観戦。
k−1単独の寂しさに加えて、カードと内容もかなりしんどい。
熱くなれたのは所の成長ぶりくらいで、前半はかつての名勝負のプレイバックばかりだし、特にメインでの桜庭の痛々しさは目も当てられない。これで年越しってのは正直辛かった。
パチパチ変えながら観てた紅白は例年通りメリハリなく、完全に時間が止まって淀んでる現在がモロに露出した趣。淀んだダラダラ感と言えば、「ガキの使い」の罰ゲームをただ延々とやってる日テレは凄かった。3時間、延々ケツバットしてるだけで、年越しの時報も挨拶もなし。ここまでくるといっそアナーキーだったけど、行き止まりの薄ら寒い不毛感が体に沁みる(これは、紅白のDJ OZMAも同じ。要するに下流の居直りと嫌がらせ)。


元旦に復活した「たけしのお笑いウルトラクイズ」も、残念ながら不発。
良くも悪くも悪ノリが行くところまで行ったバブル期特有の勢いは望むべくもなく、芸人たちがはじめから修羅場を楽しみにしてる予定調和感だけが目立って、退屈なスペクタクルが冗長に繰り返されるだけ。笑えない。
人間性クイズはまあまあだったけど、かつてタカが松坂季美子に「頼むから一回だけやらせて!」と土下座し、それをモニターで母親が見ているといった、踏み越えたスリルはなかった(このご時世にそれをやって楽しいかってこともあるが...)。


とにかく年末年始のテレビは、閉塞が極まった、寂しい印象だけが強く残ったな。
マスを相手にしている性格上、個々の指向のはっきりしたユーザーに応えにくいのは仕方がないが、何となく受け身でテレビを観てるようなおっちゃんおばちゃん、じいちゃんばあちゃんを大切にしてない感じもあって、それが尚のこと寒々しい。ドラマも、ホームドラマや時代劇ほど、作りがおざなりで酷い。
(こういう状況にあって、今更ながら、去年の新庄は本当に偉かったなと思う)
その一方で、ブログや若者向けサブカルチャー雑誌なども、ダラダラテレビの話やノスタルジーネタを繰り返してるだけで、全然元気な手応えがない。
まあ、とにかく文句だけ言ってても仕方がないから、何とか自分達だけでも面白いことを打ち出していきたい。


というわけで、皆様、今年もよろしくお願いいたします。