島の祖父と旧友の夢

半分は加齢のため、半分は職業病でもともと眠りが浅いのに加えて、花粉症の鼻づまりで、短く断続的にしか眠らない日が続く。昨夜は、瀬戸内の小島にある父の生家に帰省中(自分が生まれ育ったのは母の生家だから二重の帰省だ)、何故か大学時代の北朝鮮系の在日の友人と彼の家族が遊びに来ていて、祖父や島育ちの親戚の叔父さんたちと酒盛りをしている。小さな家で、帰省中の僕等が寝起きする部屋が占領されていて、女子供や外来の帰省者は締め出された形だ。祖父たちははっきり口にはしないが、どこか当てつけるように無視されている気配もある。
大学時代の友人は、ジャズトンペット奏者の息子で僕などよりずっと街っ子なのだが、他の日本人の友人たちよりずっと家庭的、保守的で、僕らが遊びに行った時も、よくお国言葉で家族と電話で話していた。僕等との付き合いでも、個人主義的で水くさい日本人に違和感を持っていた。
中でも僕は当時から見るからに変わり者だったから、ある意味遠慮してくれていた代わりに、はじめからはっきり距離があった。付き合いたいと思っても、うまく共通項が作れず不自然になる。
在日云々にかかわらず、体育会系や不良の世界で、腕力のあるタイプによくあることだけれど、自分の常識や付き合い方を疑わず強要してしまうところがあって、いくらか無理して彼に合わせていた他の友人も、だんだん窮屈になってきて、徐々に彼から離れて行った。彼はノリの合う一部の者と共に、僕等に反感をつのらせている様子で、卒業するころにはかなりギクシャクした感じになり、卒業後の消息はわからない。
昨夜の夢の中での祖父や彼等の振る舞いも理不尽だとは思ったが、どこかうしろめたいような気持ちもあり、黙ってずっと隣室で待っていた。