紙屋研究所のワンピース批判に応える


https://twitter.com/hitokirigoro より。


初期ワンピースは、カラッと突き抜けたルフィのキャラクターを軸に、それぞれに弱さや理由を持つ連中が仲間になる過程(人情)を丁寧に描き、その上で自由の代償としての覚悟と矜持を示して、アンチロマンに自家中毒した8,90年代をひっくり返した傑作だった。松本零士作品やガンバの冒険など、世界が狭くなると共に過去のものになっていた「冒険とロマン」を、物理的な距離の問題ではなく、「「理由」を恥じず「覚悟」で超えていく」という肝の部分をソリッドし、強調することで見事に蘇えらせた。→ 1,277,892,433,000.00 webから

→「ウソップ編」「海上レストラン編」「チョッパー編」あたりは、常に読み次がれていくべき名エピソードだと思う。が、ワンピースが本当に輝いていたのはここまで。→ 1,277,892,511,000.00 webから

→敵の魅力の無さに象徴的なのだが、その後目指すべきもの、超えるべき課題が、作者の中にまだ無かったのだと思う(初期においては「先回りしたシニシズム」「臆病を知性と言い換える欺瞞」を明確な敵とし、またそれぞれに信念を持って戦うもの同士の尊敬や、勝敗の厳しさへの覚悟が謳われていた)。→ 1,277,892,567,000.00 webから

その後はひたすら「バトル」と「人情」の弛緩したインフレ化を繰り返し、同時に絵のシンプルな伸びやかさも失われて、キャラとギミックで引っ張る水ぶくれした作品に成り果ててしまう。→ 7:11 PM Jun 30th webから

→これは間違いなく、人気作の連載をむやみに長期化する風潮の弊害なのだが、加えて尾田さんは本来育ちが良く、優しい方なのだろう。「覚悟」の前に立ちはだかるものの無情と理不尽が、どうしても実体的な奥行きと迫力を帯びない。仁義なき戦いの面々の顔の浮き方に顕著なように。→ 7:17 PM Jun 30th webから

→ここを超えるには、本格的な取材の必要を感じる。が、いずれにせよ、初期ワンピースが「個」を大切にした上での「連帯」を丁寧に描き、「覚悟」によって試練を楽しむ心意気を明朗に描き、強い支持を得たことは、きちんと評価されるべきだ。→ 7:18 PM Jun 30th webから

→以上、紙屋研究所さんのワンピース批判http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20100628/1277732436への、初期読者からのアンサーとします。 7:19 PM Jun 30th webから



紙屋研究所さんのワンピース批判http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20100628/1277732436へのアンサー、補足。→ 約22時間前 webから

→冷静な状況判断や、方法論は勿論大切だし、その直視と努力の放棄を正当化し、目くらましするような精神論の弊害は、意識されなければならない。しかし同時に、前者の限界にも僕たちは謙虚であるべきだ。それはあくまで手段であって目的ではない。→ 約22時間前 webから

→そこから「正しさとは何か」「幸福とは何か」の答えが導き出せるわけじゃない。そこで必要なのは、将来の幸福とか、成功からの逆算や予測ではなく、自分の生活や行動に筋道をたてようとし、そのために間違うこと、不幸になることをも覚悟する生き方ではないか。→ 約22時間前 webから

→それが客観的な幸福かどうかは分からないが、自分はこうしたいし、こういう流儀で生きてきたのだから、この道を採る、という生き方ではないか。→ 約22時間前 webから

→「誰にも未来の予測はできないし、幸福の定義などできない」という大前提を忘れた者達の思い上がりによって、古風な迷妄と退けられがちなこうした生き方の美と魅力を迷いなく、正面から描いたからこそ、開始当初のワンピースには力があり、強い支持も得たのだと思う。少なくとも自分はそう感じた。 約22時間前 webから


紙屋研究所 再び、尾田栄一郎ONE PIECEhttp://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20100701/1278010831 約1時間前 webから

科学的なリアリズムをベースにした緊張感が無いバトルマンガは3流という、紙屋研究所のワンピース批判。『未来少年コナン』にたいするかつての押井守の批判「肝心な場面で、コナンの超人的な体力と絵の力に頼るのは、ドラマとして駄目」を思い出す。 約1時間前 webから

生意気盛りの年齢だった自分は、半分は押井のツッコミに頷きつつ、それでも内心はコナンの思いを体現する宮崎駿の絵の伸びやかな迫力に魅了されていた。 約1時間前 webから

初期ワンピースにも同様の魅力を感じる。それぞれのメンバーの持つ個人的な事情に関わる機微を描きつつ、その前に立ちはだかるものの大きさとの緊張感、そしてあくまで潔い覚悟と明朗な生命力で超えていこうとするテーマの、引き締まった説得力に裏打ちされている間は、→ 約1時間前 webから

→伸びやかな構図と走る描線によるバトルは魅力的だった。そのピークが、互いに認め合う相手同士の信念の激突や、彼らの前に広がる世界の巨大さ、そして現在の彼らの存在の小ささをクールに描いた「海上レストラン編」。 44分前 webから

さらに思い出すのは、ちばあきお『キャプテン』『プレイボール』。当初、名門校の二軍の補欠だった谷口が下町の弱小校のキャプテンとなり、影の努力で実力と人望を得、かつての出身校にぶつかっていく。 37分前 webから

当初は、谷口の成長とメンバーの信頼を勝ち取る過程、二分の一ノックなど分かりやすく絵になる特訓の描写、素朴で柔らかい描線で描かれる彼らの激しく健気な戦いぶりに魅力の肝があった。が、後半→プレイボールと巻が進むにしたがって、野球そのものの細かな技術や駆け引きの描写で見せる、→ 30分前 webから

→リアルなマンガへと進化していく。しかし、リアリティが増せば増すほど、「勝つための野球」が突き詰められるほど、一方でマンガが息苦しくもなっていく。そして最後は、チャランポランな近藤がキャプテンになることで、チームは一旦弱体化する代わり、「野球の楽しさ」の裾野を広げ、振り出しに… 27分前 webから

これは実は、『キャプテン』の原型となった短編『半ちゃん』に回帰したような展開でもある。野球好きだが運動神経はからっきしな半ちゃんは、近所のガキどもと野球をはじめる。しかし、センスも経験も豊富なよそ者イガラシに、素人ぶりをバカにされて腹を立てる。 23分前 webから

ところが、隣町のチームと対戦して惨めな惨敗をしたのをきっかけに、イガラシをチームに入れる。結果能力は向上する一方、徐々に最初の気楽な楽しさは失われ、最後はチーム崩壊。けれど、一番ヘタクソでミソッカスだった半ちゃんだけは野球を続け、また仲間達が戻ってくるのを待つ。 20分前 webから

ワンピースも、ウソップの描き方などに、こうした適材適所、一長一短、そして一致しないそれぞれの都合をどう解決するか(解決できないものをどう受け止め、処理していくか)を描こうとする萌芽は感じられた。が、結果それが上手くいったと言い難いことは確かだとも思う。結果、空疎なインフレ化の現在がある。 11分前 webから

しかし、「ロマンと格好よさ」を伸びやかに描くことが肝である作品に、これを期待することはやはり酷だとも思う。ただ、最近はロマンやダンディズムよりも、泣きと人情の方に傾き過ぎていることは確か。ここは不満だ。 7分前 webから

初期によく見られた、三日月目で「シシシシ…」と不適に笑うあの表情(これが本作のカラーを、最も端的に象徴するものだったと思う)の復活を望む。 5分前 webから

ONE PIECE  1 (ジャンプコミックス)

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