昨夜は、久々に榎本氏と高円寺呑み。

bakuhatugoro2004-10-30



ボカン亭、BARベルベットとハシゴで朝まで。
やはりどこでも、ショーケンの話題になる。
みんなクスリを心配しているが、正直、「まだクスリでもやっててくれた方が...」ともさすがに言い出しかねて、ちょっと言葉を濁してしまう。
言い逃れしようとしてて反省がないとか、映画の降板騒ぎにからんでのギャラのトラブルで恐喝まがいのことをやらかしたとか、文春はじめ各誌でも叩かれてるけど、やはり俺には下がり目、弱り目の末につのった屈託による、意固地や混乱の暴発と感じられる。乱暴に見えても、決してアグレッシブなものじゃない。
記事を書いてる側にも、薄々それを承知していて、ちょっと遠慮してるようなニュアンスを感じなくもない。


ベルベットへ移動後、アニマル洋子さんたちと遭遇。
彼らはベルベットははじめてだったらしい。
映画関連のお得意様とご一緒だったので(俺が以前アニマルで買った『神代辰巳オリジナルシナリオ集』は、彼が売ったものだったらしい。まったく世間は狭い)、ひとしきりショーケン、そして今平、神代、ゴジあたり、あと、『TATOOあり』の梅川の話題などで盛り上がってから、ボカン亭でかかってた安藤昇をこっちでもリクエストしまくる。
「こんなオモチャのチャカで芝居ができるか!」との御大のひとことで、実物を調達した監督の唐十郎がお縄になった映画『玄界灘』の主題歌だった『黒犬』をはじめ、ほとんど全ての曲がセリフ入り。『男が死んで行く時に』なんか、全編セリフだ。
「俺が死んで笑うヤツ千人、泣くヤツ千人 知らぬそぶりが千人か」
「まとめてアバヨを言わせてもらうぜ!」
カッコイイ。渋すぎる...
「千人とは、また派手な人ですね(笑)」と、おかしがっているお客さんに、
「いや、本当にそれだけの大物なんですよ」
と、桑原さん、真顔で淡々と説明する。


ベルベットには、2、3年前には連日入り浸っていたが、先日大阪から岡村ちゃんのLIVEを観に来た魚さんの接待兼ねて久々に飲みに行くまで、ほんとにご無沙汰だった。
ところが、一月に店を閉めるとの話をマスターの桑原さんに伺い、大ショック!
「商売的には順調なのだが、もともと店をやるのが目標って感じじゃなかったし、自分の中ではもうちょっと高いところを目指してたつもりだから、物足りなくなった」とのこと。
彼らしい、徹底して内的動機にストイックな個人主義者ぶりが感じられて、さすがと思った。
しかし、そうは言ってもやはり、客の勝手で言えば、残念と言う気持ちは拭えない。
ここの6、7、80年代歌謡曲のシングル盤と、80年代初頭の日本のロック、パンクの映像のストックは、ちょっと他に例のない凄さで、純粋に文化価値的にも勿体ないし、桑原さんのらもちゃん的な、ダウナーシニカルなセンスもあって、いわゆるロックバーにありがちな一本調子なアッパーさに水を差されずに、一人で羽を伸ばせる個人的にも貴重な場所だった。
本当の意味で「行きつけ」と言える店が少ない俺としては、非常に寂しい。


海外からのお客さんも多くて、今回もフィンランド人の一行がやってきた。
桑原さんは「サウナ!」「ヨッパラッテ!」とかいいかげんなカタコトを喋りながら、ハノイロックスをかけまくって、彼らを喜ばせていた。


その後、明け方近くにアニマルさんらと入れ替わりで、ボカン亭マスターが合流。
『シャイニン ウィズ ユー』を聴きつつ、皆(全員B型)でショーケンを想う。


いろんな意味で、濃い一夜だった...


今後はラストスパートということで、完全に会員制にするとのことだったけど、このあたりの音楽に関心の深い方は、一度は行っておいた方がいいと思う。その旨、桑原さんに話せばおそらく大丈夫だと思うし、どうしてもと言う方がいらっしゃったら、都合合えば俺がご一緒しますよ。


http://www006.upp.so-net.ne.jp/koenji/46/k46.html