回想の1986年

今、ガンダムダブルゼータを新鮮に見返しているという友達が、当時はロックに夢中であまりちゃんと見ていなかったと話していて、確かに自分もそうだったなと。十代後半で、より自分の現実に直結した表現を求めていたこともあったし、富野さんやサンライズ以外のアニメ作品が僕には急速に面白くなくなっていた。少し離れた大きな街の輸入盤屋や中古盤屋に通うようになり、ジャニスの『チープスリル』や『パール』、ジミヘンの『エレクトリックレディランド』、オーティスの『ヨーロッパのオーティス・レディング』、ストーンズの『メインストリートのならず者』や『ラブ・ユー・ライブ』を手に入れて夢中になった。当時はまだ全部アナログレコード。
新譜でもストーンズの『ダーティワーク』が出た年で、程なく発表されたレッドウォーリアーズの『レッスン1』やスライダーズの『天使たち』を聴いてその影響を感じた。RCのベスト盤的な選曲の日比谷野音のライブ盤も楽しく聴いた。
学校の音楽好きにはBOΦWYの『ビートエモーション』が大流行していたけれど、自分にはまったくピンと来なかった。
子供で小遣いも乏しかったから僅かな枚数だけど、印象鮮烈で夢中で聴いた(学歴を拒否しようと思い詰めていたから、支えを求め、必死に自分を鼓舞していたところもあった)。自分にとっての本当の意味でのロック元年だったと思う。