人間に通じていない映画評論家の問題

映画評論家の仕事を、再考すべき時期が来ているように思う。
彼等は確かに多くの映画を見て知識を持ってはいるけれど、それは人やその社会について深く突き詰め、考えてきたことをストレートに意味しない。だから、映画人が人間観を込めて作った映画を、政治的な正しさに捕らわれてマルバツ式に粗雑な評価をくだしてしまうことが本当に多過ぎると思う。特に、一般メディアで広範囲に向けて映画を紹介する時、業界やマスコミのインサイダーである程、かつて前衛といわれた古く狭い業界内の価値観と空気べったりになり、映画の傾向が正確に伝わらなくなっている。紹介や批評と、プロパガンタは違う。広く、深く、自由な、人間に対する視野と掘り下げが求められるべきだと思う。