その後、『恋文』、『もどり川』など

bakuhatugoro2003-12-05

神代辰巳作品を立て続けに観てしまい、ウルトラダウナー映画の後はアッパーな映画を、というわけじゃないけど、10何年かぶりで、『いつかギラギラする日』を観た。
初見の劇場公開時(92年)には、正直、イマイチという感想だった。
一連の実録モノをはじめ、戦後の闇市をルーツとする、雑多で猥雑な舞台を得て、それを端的、スピーディに、叩き付けるように活写することで、パワーとリアリティを発揮してきた深作欣二の、情も生理も濃くってず太いけれど、健康でシンプルなノリは、8、90年代の商業映画のクリアーで無機的な風景や画面、平和や安定を前提とした社会や人間のチマチマとイジコイ内面を相手にしようとすると、どうにもリアリティをつかめず空回りしているように感じられた。
が、それから10年を経た今観ると、意外や、悪くない。
どころか、こちらがそういったイジコイ時代性にうんざりあきあきし果てている今、むしろ、そこから「無関係」な突っ走り方が爽快だった。