きらたかし『ケッチン 1』

のべつだらだらと繋がってる感じに抵抗があったり、何より細かく書き込むのが面倒くさそうで、ツイッターには二の足を踏んでいるのに、友達への返信をちょこちょこ書き込んでいるうちに、mixiボイスの方は結構常用するようになってしまった。こっちも当初は強制的に表示されるのがうるさくて反発していたのだが。
おかげで、まとまった備忘録を書くタイミングを逃しがちなので、今日は無理やり日記をアップ。


赤灯えれじい』のきらたかしの新作『ケッチン』の1巻が出た。地方の地味な高校生とヤンキーな幼馴染たちの話で、ほのぼのとしたスロースタートという感じ。開始当初はちょっと優しい話すぎて刺激が少ないかな…という気がしなくもなかったけど、逆に言えば大袈裟じゃないのがこのマンガのいいところ。他のマンガだとスルーされがちなバイトの細かい描写や、まったくロマンチックじゃない性的な初体験など、心を曇らせる日々のしょっぱさを書き込みながら、クールにも感情的にもなりすぎず、かといって笑いにずらしすぎもしない軟らかいバランスに、かえって作者の強さを感じる(きらたかしは現在に稀有な「幸福を描く作家」だと思う)。地に足がついているのに、同時にうぶな初々しさがあって、それが何とも可愛いのが『赤灯』同様の魅力。
バイクに入れ込んでいくことで、ヘタレな主人公が少しずつ自信をつけて男になる、というのが今後の展開だと思うけど、日常が変わることによって出来てくる幼馴染との距離や、昔は鳴らしたらしいバイク屋のおっさんの現在のしょっぱさなどもしっかり描きこまれてるので、いろいろありそう。ともかく、今後が楽しみだ。

ケッチン(1) (ヤンマガKCスペシャル)

ケッチン(1) (ヤンマガKCスペシャル)