イベント告知&裕也さん本2冊

吉祥寺のサブカル古本屋「すうさい堂」さんのイベントで、久しぶりにDJやります。

11月22日 @吉祥寺ワルシャワ/フォースフロア
スナックすうさい堂 賭無蒼夜(とむそうや)
19:00 -23:00 チャージ500円+1ドリンク

DJ
人斬り五郎
すうさい堂(昭和ロック)
トラホーム(パンク女子アートチーム)

LIVE
日本ミュージックfeatデイジー
chang-do
すうさい堂と肉彦さん

http://fourthfloor.sub.jp/ワルシャワ
http://d.dklog.jp/koasemasaya/#0001430560(僕がすうさい堂を知ったきっかけはこのweb日記から。クールと正直、痛みと笑いのバランスが絶妙な、凄くいい文章。お薦めです)

僕はいつも通り、ネリカンブルース系の歌謡曲、サントラの類中心にかけるつもりですが、モブ・ノリオ氏の『ゲットーミュージック』に影響されて、裕也さん関連が多めに入ってくるかも。
このところ、優作さんに永ちゃんと、ビッグネームのトリビュート的な企画が続いてるけど、個人的には最近立て続けに出た裕也さん関連の2冊の刺激が断トツだった。近田春夫によるインタビュー本『俺は最低な奴さ』は、裕也さんのフライングだらけの悪態と自画自賛を、あの独特の語り口そのままに生かし、いなしや突っ込みをクールかつ直裁に挟みながら、それがそのまま裕也さんの「生理的アウトサイダー」とでも言うべき唯一無二の魅力「トンパチであり続けられることの、怖さ、おかしさ、可愛らしさ、強さ」を余すところなく伝えていて素晴らしかった。
一方、裕也さんの80年代の対談集と、モブ・ノリオ氏の小説を合本にした『JOHNNY TOO BAD 内田裕也』。正直「ストーンズのアルバムライナーに山川健一の小悦」的なものだったら…的な不安もあったのだが、まったくの杞憂。
海賊ラジオのDJの、レコードかけながらの、裕也さんやロック、レゲエなどについてのダベりをそのまま小説にしてしまっているのだが、語りの中で突発的に出てくる飛躍や脱線を、整理しすぎずに絶妙に文章として表現し(つまり、初期「BURST」のコラムや対談の語り口を、そのまま小説に持ち込んだ感じ)、しかもそれを300ページ近くまったくダレさせない。
作者自身が生身の部分で一番大切にしていること、最も興味と愛着のある対象、自身の肌にも合い且つ対象に最もふさわしく効果的なやり方を見極めて、とことん表現しきっていることを、本当に羨ましく感じる。
語られる対象がカルトだから、ともすれば内向きで間口の狭いものと捉えられかねないけれど、そうした自分の生理と関心のあり方を、整理したり纏めたりして説明するのでなく、とっちらかった意識と現実にギリギリまで区切りをつけないナマな語り口そのもので体感させていく「小説の力」は、裕也さんをまったく知らない人にも届くと思う。
(細かい感想を少し。90年代の映画2作への「浮き足立っている」「何かに捨て身でぶつかっていく緊張感がない」という指摘はさすがに鋭い。同様に僕も、最近の裕也さんの金髪ロン毛の風貌に不満。あからさまに「おかしな人」っぽいと、逆にはじめから世間に「そういう人」として括弧に括られてしまう。ごく普通のおっさんの身なりに、一見地味なんだけどよく見ると不機嫌さの煮凝り方が尋常じゃない、あの仏頂ヅラが乗っかっていることで、却って微妙な違和感と色気が際立ってたのが80年代の裕也さんだった。レゲエファンのモブ氏だけあって『餌食』が大きくフィーチャーされていたのは嬉しかったけど、『嗚呼!おんなたち 猥歌』に触れられていないのは何故?
あと『LET'S GO MONKEY』の3曲は、やはりちょっと「褒めすぎ」では… そして「ローリングオンザロード」は誰がなんと言おうと名曲。『野獣刑事』http://intro.ne.jp/contents/2008/02/03_1619.htmlを観よ!)。


ともかく、練馬の奥に引っ込んで以来、プライベートで友達と遊ぶ機会が極端に減っているので、22日は僕もかなり楽しみにしてます。チャージも安いので、良かったら気軽に飲みに来てください。

JOHNNY TOO BAD 内田裕也

JOHNNY TOO BAD 内田裕也

内田裕也 俺は最低な奴さ

内田裕也 俺は最低な奴さ