東京・六本木・ATG

bakuhatugoro2007-10-31



11月3日からシネマート六本木で始まるATG映画祭の連動企画で、INTOROさんに寄稿させていただきました。 
http://intro.ne.jp/contents/2007/10/31_1611.html
映画祭のラインナップは以下。
http://www.cinemart.co.jp/theater/roppongi/atg/index.html
ざっと、各時代の代表作が網羅された、特にATG作品にはじめて触れる若い人達には絶好の入門編と言っていい並びだと思います。
今回の入りいかんでは、2弾3弾もあり得るとのことなので、皆様お誘い合わせの上、是非お運びください。


とはいえ、個人的にはATG作品、後追い世代もいいところで、むしろ「ATGだから」って理由で映画を観た経験は一度もない。もともと観念的な実験映画、芸術映画の類いはあまり得意じゃないので、馴染みのある作品も実は結構限られる。
が、その割に、『青春の殺人者』『ガキ帝国』『TATTOO<刺青>あり』といったマイフェイバリットムービーがラインナップにしっかり並んでいる。普段直視しにくい後ろ暗い心理やシチュエーションを、丁寧に描き伝える佳作群が、特に映画産業が左前になっていった7、80年代以降、ATGだからこそ成立し得たのも確かな事実なのだ。


今回は、ライター各々が、「総論」「青春」「音楽」「エロ」といったそれぞれの切り口でATGを語っていますが、僕は「地方人が観たATG青春映画」というごく私的なアングルで、『TATTOO<刺青>あり』『遠雷』『祭りの準備』『青春の殺人者』に触れてみました。
僕のものはともかく、以前参加させていただいた『ロック画報』の「映画×ロック」特集の番外編とも言うべき、なかなかに濃厚な内容です。


原稿では触れられませんでしたが、端正で静的な作風が、かえって冷え冷えと青春を突き放す『股旅』、幕末の志士達と、学生運動退潮記の倦怠と内ゲバを重ねて、ざらついたモノクロ映像もブルージーな『竜馬暗殺』、そして痛切な戦争体験を、洒落にならない重さゆえに飄々と描く岡本喜八監督の最高傑作『肉弾』あたりも、リアルタイムで青春やってる人達に是非観てもらいたい映画。


次回は個人的に『鉄砲玉の美学』『人魚伝説』あたりをリクエストしたいところ。
シネマートさん、よろしくお願いします。