女渡世人 おたの申します(71年東映京都 監督 山下耕作 脚本 笠原和夫)

bakuhatugoro2007-08-05



本日より一週間、ラピュタ阿佐ヶ谷、モーニングショーにて公開中。 
http://www.laputa-jp.com/laputa/program/fujijunko/


藤純子、そして山下耕作笠原和夫コンビの最高傑作(俺は『総長賭博』よりも、断然こちらを推します)。
現在まで未ソフト化。
この機会に何を措いても観るべし!


いや、仁侠映画としてどうだとか、映画史的にこうだとか、そういったごちゃごちゃはこの際全部忘れて、俺を信じて、頭を白紙にしてとにかく観てみてください。
この映画、本当にヤバイから。
今日となりに座ってた若い女性は、終盤ずっと泣きっぱなしで、終映と同時に顔の乱れを気にして足早に出て行ってしまった。
俺は逆に、そのままの表情ですぐに表に出るのが恥ずかしかった。
お手軽な「泣き」目当てに、シネコンに詰め掛けた一般客ならともかく、名画座のモーニングショーに集まったすれっからしたちの間に、無言の感嘆と溜息が漏れている。
でも、本当はこういう映画を、広く一般の人たちにこそ観て欲しい。


フィクションとは、ただ絵空事のことじゃない。
リアリティとは、ただ現実をそれらしく写実することじゃない。
じっくりとした書き割りの様式に、人々の現実に根ざした情と(叶えられない)願望を込め、「劇的」に解き放つ技術。


あざとい自己アピールの道具に成り下がった安っぽい「感動」や「前向き」ポーズ合戦にうんざりしている、真に賢明で正直な友人達にこそ、この映画を観て欲しい。


詳しいレビューはまた後日。