昨夜は、800ランプ活動休止中、現在手回しオルガン抱えてソロ活動中の、オグラ君のLIVEを観に、新高円寺STAX FREDへ。

bakuhatugoro2004-03-14

http://www.lilyfranky.com/reguler/ogura/index.html


彼は、いわゆる典型的な早熟の青春詩人タイプってヤツで、そういう意味では凄く完成度の高いことを若くしてやっていたのだけれど、その分才能が先走りし過ぎてスタイルやアイデンティティが早いうちに確立され過ぎてしまったようなところがあり、ここ数年は歳の取り方に苦しみ、また、そうした本気の生々しい「青さ」が共感や商品性を得難くなった現在に対する反発もあって、燻っているような印象を受けていた。
先回りした達観に自己完結しながら、他者や世の中に対する過剰な期待が裏返った厭世のような気分を感じて、ちょっと厳しい批評を書いたこともあった。


けれど、バンドを休止し、周囲への期待と依存を振り切って、身の丈を誠実に確かめ直すように、演奏やレコーディング、ブッキングや営業まで、すべてを一人でこなす身軽な活動をはじめて以降の彼は、見違えるように前向きで、同じ歌を歌っていても、ニュアンスがまるで違って聞こえる。
自分を、しっかり引き受けた者の覚悟と、浮き足立たない前向きさを感じる。
今回は小さなハコで、ポエトリーリーディングを交えつつのアットホームな雰囲気だったけれど、繊細なニュアンスを大切にしつつ、それに息苦しさを感じさせない、大袈裟なところはないけれど素晴らしいLIVEだった。
そして今なら、またバンドやっても、もう大丈夫なんじゃないか?と思った。


終演後、見に来ていたリリー・フランキー氏のマネージャーのBJ氏達を交えて、店で軽く打ち上げに参加。
BJ氏は、松田優作のオフィシャルファンクラブの立ち上げにも関わられているのだけれど、リリー氏共々、去年のショーケンのAXにも行かれたらしく、その話でひとしきり盛り上がる。http://d.hatena.ne.jp/bakuhatugoro/20031118
何でも、リリー氏は、このショーケン復活LIVEが、(いろんな意味を込めて)今まで見てきた中で最高のLIVEだったらしく、終演後も上機嫌で、フロアに降り注いだ風船を2人で蹴ったりして延々遊んでいたそうだ。


正直、最近のリリー氏には、健康な上昇志向が裏目に出たというのか、ある意味アガってしまって、ボンクラ的打ち出しと処世(主に対女性の)の間でやや欺瞞を感じる場面が多くて、がっかりしてたところもあったんだが、根っこのところで馬鹿野郎への本気の愛とセンスがこの話からは感じられて、ちょっと嬉しくなった。


サイバラの話、寝かせてる間に、ちょっと自分の中で微妙になってきたところがあるんだが、とりあえずまた。