復活祭イベントの時TAIZANさんとも話したのだけれど

オールドショーケンファンには不良っぽい人が多くて、最近のサブカル、オタク人種的な、相対的にいろいろなものを並べて距離を取った消費をするってところが、良くも悪くも希薄だった。「アンチヒーロー」っていうのが本当にメインストリームで、いちばんカッコイイ時代だったんだな。
等身大、それも危なっかしい部分の色気と、所在なくウロウロし、ボソボソと喋るような生身のリアリティが、同時に時代に求められたショーケンは、ある種、普通の意味での「芸人」じゃなかった。天然、無意識の、ヤンチャで憎めない不良でいることがそのまま、思想、生き方としてのロック、カウンターカルチャーの象徴になってしまったってとこがあった。無意識だからこそ生々しくて鮮烈だった。


だけど、そんな穏当な落とし所や前例の存在しない生き方に(それも、作為のない場当たりな生き方に)、強烈な負荷がかからないわけがない。
それでも受け手を含めた時代は、彼にそれを求めたし、疑うまでもなく突っ走るようなヤツだったから、「本物」になった。
そして、そんなふうに高く翔とんだヤツにほど、ツケは大きく回ってくる。
客は、時代と共に済し崩しに変わり、生き方を乗り換えながら、帳尻あわせをしてれば良いけど、彼は簡単には役を変えられないし、舞台を下りられない。それに、ショーケンみたいなヤツには、仕事とプライベートの境目なんてないんだ。
そして、その時々の思い込みに、不器用にツッパリ切るショーケンに、俺達は拍手をおくってきたわけだ。
その結果が現在の姿だろうと、便利に反省なんかしてたまるか。