ヒートアップするフロアに励まされるように

声も動きもままならず、かっこつかない状態のままに、それでも必死に受け止めようと頑張るショーケン。感傷的な物言いが、どうにもショーケンに相応しくないんだけれども、あの体調、喉のコンディションで、あれだけ唄を安定させるのは、凄い集中力だと、正直目頭が熱くなった(少なくともバラードでは、彼は一度も声を裏返らせなかった。中央2列目で観ていた俺には、彼の必死の集中力と、ニュースステーション以来の努力の跡が、痛いほど伝わってきた)。
素のまま、等身大のままで舞台に上がり、戦後日本の青春のような時代の中で輝いた彼のインパクトが、余りに鮮烈だったからこそ、憧れ、見上げてきたそれぞれの思いはいろいろだろうけれど、ここまで生々しい、そして同時に持続的な関係を受け手と結んでいる表現者、なかなか他に思い当たらない。