メモ

歴史を紐解くまでもなく、神(愛)とヴァイオレンス(破壊)の葛藤は、人類が生存を続ける限りエンドレスに繰り返される人間の真実である。その争いは絶えず揚棄された神(愛)を生み、その神(愛)がふたたび新しい反逆者を生む。といって、ペシミズムに陥ることはない。ヴァイオレンスの果てに現実に相対するその時代の神を見出せばいいのだ。人間のできることはそこまでである。絶対の神(愛)は信じてもいいが、それを現実に求めるとたちまちヴァイオレンスと化する。



笠原和夫『ヴァイオレンスの果てに神は見出されたか(ゴッドファーザーPARTⅢ評)』映画芸術NO.362所収