「男たちの大和 コンプリートBOOK」(イプシロン出版企画)、出ました。

bakuhatugoro2005-12-10



佐藤純弥監督、東映高岩淡会長ら製作サイドと、元大和乗組員インタビュー、そして邦画戦争映画レビュー他を担当した「男たちの大和 コンプリートBOOK」が、そろそろ店頭に並びます。
http://www.upsilon-publishing.jp/htdocs/BooksDetail/D00247.html
版元が急遽変更になったり、最後は過酷な突貫作業で、風化とタブーの二重のカセに縛られた戦争映画の難しさを身をもって実感しましたが、自分の身の丈を超えたテーマながら、現時点での力は尽くしたつもりです。


基本的に、映画を前提としたサポートムックの作りで、製作者インタビューなど、映画を未見の方には取っ掛かりつきにくいかとも思いますが、特に東映高岩淡会長のインタビューなどは、語りの「調子の良さ」も含めて、古き良き活動屋魂の滲む、いいエピソードがぎゅっと詰まった(「トラ トラ トラ!」撮影時の若山富三郎と黒沢天皇の激突など!)、邦画ファンには愉しい内容になりました。



日本製の戦争映画というだけで、ほとんど条件反射的に心に壁が出来てしまうのが、一般の(むしろ意識的な映画ファンやサブカル者にとっては尚更)正直な現状だと思うし、そうなってしまうことの相応の理由も僕自身よく身に覚えがあるのですが、だからこそ、今回は微力ながらも、やりがいを持って臨んだ仕事です。
詳しい内容の紹介は、先行する骸吉君http://d.hatena.ne.jp/gaikichi/20051210の日記に譲りますが、映画では直接描かれない戦争の全体像や、当時と現在の意識や生活実感の違いに力点を置いた書き方をしたつもりです。(骸吉君による、慎重にイデオロギーを廃しつつ、アヘン戦争明治維新にまで遡った、敗戦にいたる日本の近代史概説は力作!)。