笠原和夫調査資料書籍化!

bakuhatugoro2005-07-08




昨日は太田出版にて打ち合わせ中、『昭和の劇』を担当された編集氏より、今度出る『「仁義なき戦い」調査・取材録集成』を見せていただき大興奮。
『tone』http://d.hatena.ne.jp/bakuhatugoro/20050625の笠原論考取材中から噂は聞いていたけれど、「やられた!」という嬉しい驚き。



あの、独特の小さな癖字でびっしり書かれた膨大な資料ファイルの中、まるまる一冊分を起こして書籍化してしまった大労作(中扉には、笠原が日記に大切にファイルし保管していた『仁義なき戦い』公開時、岡田茂からの賞賛の電報が使われるなど、装丁も相変わらずの素晴らしさ!)。企画が通って世に出るのも凄いけれど、この一冊に終わらず、他の戦争映画や未公開作の資料、シナリオの保存、公開も考えるべき!と、お互い当座の打ち合わせそっちのけで盛り上がってしまった。
これは、今後の展開のためにも邦画ファンのみなさん、是非買いましょう! なんてわざわざ俺ごときが言うまでもないな...
店頭に並ぶのは今月末あたりになる模様。


天皇の戦争責任を折に触れ家族に語り、晩年勲章を授与されたが、自分では受け取りに行かなかった話。しかし、愛用していたステッキには、菊花紋章が入っていた!という話。選挙には必ず行って、白票を投じていたらしいといった話などなど、笠原トリビアも乱れ飛ぶ。


その後、神保町で奈落一騎君と落ち合い、彼の自宅に移動して和田勉演出、80年暮れ放送のNHKドラマ『ザ・商社』第一話を見せて貰う。面白い!
この時期の和田勉、荒いけどとにかく勢いがあって、雄の香りがプンプン。主演の山崎努も皮膚がテラテラ黒光りしてて、デスペレートな魅力を放ちまくっている。まさに彼らのピークと言える仕事。
戦後以来の一体感と右肩上がりの飽和点としての、この時期の空気もよく出ている(これ、勝新の『警視K』なんかを見てても感じる)。この後はひたすら拡散の一途。



それにつけても、NHKのDVDは高すぎるよなあ...


「仁義なき戦い」調査・取材録集成

「仁義なき戦い」調査・取材録集成