先週24日は、

韓国からのバンドを招いたThe oyster and the flying fishのイベントに、東高円寺UFOclubへ。


とにかくこの日のUFOclubは音がでかくて、オイスターの演奏のカオティックな部分が際立っていて、よかった。
その辺の八百屋のおっちゃん、おばちゃんのような風体でさらっと凄腕なBとKeyの方。ポーカーフェイスで過剰なプレイをする洒落者Drにせ会長さんとギターの方。
Vo.SHIGETOさんは、またショーケンリスペクター度がアップしてましたね。
ただ、どうしようもなく「いい人」である彼は、天然や破天荒とは程遠く、そういう意味ではどうしてもどこか優しくて遠慮がちなところがステージからも滲んでしまう。それが、バンドのキャラの雑多さ加減、そして、あまりガッチリ音を練り込まない、「テンションはその場の運次第」なアンサンブルのアバウトさと相俟って、このバンドの分かり難さにはなっていると正直思う。
けれど、同時に、このデコボコさ加減はオイスターの美点だと思うし、SHIGETOさんの、人の良さ丸出しの(だから暑苦しくも鬱陶しくも無い)ロマンチストっぷりはチャーミングだと思う。
そうした自身の真の美点に、気付いて自信を持って欲しいような、だけど、無意識だからこそ持てる清々しさが損なわれて欲しくない気持ちもあり、微妙な心持ちなのである。


対バンは、本格的なジャズファンクをやりながら、素人臭いギャクと歌で台無しにしてしまってるところが残念なような、でも風通し良くもあるルケーチ。
先ごろ韓国版グラミー賞を受賞したという、メロウで爽やかなオルタナサイケバンドCOCORE(from韓国)。
打って変わって、古の70年代ハードロックが化石になったような、韓国在住の日本人メンバーによるコプチャンチョンゴル。


劇伴ナイトでのにせ会長さんの選曲の影響もあって、このテのイベントに出てくる韓国のバンドといえば、ディープなサイケに東洋的な情念を加味した濃い音を勝手に想像していたこともあって、特にCOCOREの爽やかさは意外だった。60年代の西海岸サイケの影響こそ濃いけれど、ジャムっぽくフリーにだらだらとやるような在り方とは程遠く、素材として吸収しながらかっちり歌モノとしてまとめ、すずしげな無表情で絶叫する、オルタナ経由のメジャーバンドという佇まいだった。お客さんに、ワーキングパンツにTシャツ重ね着したような、結構キレイな女の子が多かったりする場の出来上がり方も含め、BUMP OF CHICKENレミオロメンなんかのLIVE会場と、空気はほとんど変わらない。
その分、そつ無く洗練されている変わりに、ローカリティや個性も感じられなくて、正直ちょっと物足りなかったし、先進国の若者の均一化を、よくも悪くも肌で感じた一幕ではあった。


かといって、精神の硬直具合が音にもモロに反映されたようなコプチャンチョンゴルの単調なアッパーさも、ちょっとしんどくって、それだけに、オイスターの素朴な雑多さが、とても貴重に思えた一夜だった。