或る情弱中年の述懐

ずっと木造アパートでの一人暮らし、基本自宅での座業なのに加えて、この十年あまりは体調を崩したり、親の介護や没後処理であっという間に過ぎてしまっていたから、AIの進化の影響がどうだとか、世の大多数から紙の本を読む習慣が無くなるかもと俄かに騒がれていても、実感的には浦島太郎のような気持ちでピンと来ていない。パソコンは壊れてネットに繋がらないまま。携帯は古いガラケーで、YouTubeTwitterを見る程度。
テレビはほとんど見ないし、新聞や週刊誌も強い関心のあるニュースがあった時だけ駅で買う。
音楽をパソコンや配信で聴く習慣はもともと無く、本やレコード(CD)やDVDは、買って手に取って眺めることも含めて日々の最大の楽しみという暮らしを続けている。それが今、どの程度特殊なことなのか、案外そうでも無いのかの判断も、正直付かない。
ネット通販を滅多に使わなくても、東京にいるおかげで近所の書店やディスクユニオンで今のところ間に合っているから、それらが立ち行かなくなって消えてしまった時に、初めて驚いてオロオロ困るのかもしれない。