インフルエンザと勝新

一昨日から同居人と2人、インフルエンザでぶっ倒れてました。
普段オン・オフのメリハリの無い生活なので、こうして強制的に「休み」になる機会っていうのは、実は結構嬉しかったりするんだけど、今年の風邪は関節に来るみたいで、腰やら肩やらの痛みで起きるに起きられず眠るに眼れずという時間が長くて、残念ながらズル休み気分満喫というわけにはいかなかった。丸2日ほどゴメ溜め化した部屋で、半覚醒状態でのたうちまわっていた。
タミフル飲んでも幻覚体験は味わえなかったけど、直前にケーブルで『兵隊やくざ』を立て続けに観ていたせいで、昨夜はいい具合に勝新の夢をずっと見ていた。それも、夢の中で「夏八木さんが悪役のやつって第何作だっけ?」「シリーズが進むうちに勝新の暴れ方がエスカレートするのは楽しいけど、リアリティのタガが外れちゃって庶民善玉の勧善懲悪になりすぎるのが、プログラムピクチャーとはいえちょっと残念...」「でも、なんだかんだ言って愛嬌だけで押し切ってしまえる勝新は凄い。キャラクターだけは全然風化してない!」「やっぱり第一作が最高だけど、同じ増村でもリメイクの『火線』は上等兵殿があまり目立たないし、反戦が不自然に強調されて軽快なバランスが崩れてるのが残念。傑作というのはある時代、一回性のバランスの中で生まれるものなんだな」「やっぱり戦争映画(特に大陸もの)、というか『兵隊やくざ』はモノクロに限る」とかなんとか、ずっと自問自答してるのが我ながら業と言おうか...


そういえば昨夜、スマステでも勝新特集をやってた。何だか、勝新を媒介にして夢と現実が混濁しているような気分で、ちょっと楽しかった。勝プロ倒産や影武者降板の時の記者会見映像などが見られたのもよかった。
あと、これはいつも思うことだけど、やはり玉緒さんは立派だなと思う。
旦那の死後、自分の小さな自己顕示欲のために故人の偉業に傷をつけるような遺族が多い中で、つまらん「等身大」など一切語らず、彼が演じ続けたものを100%立て、勝新太郎の妻として振舞い抜く姿は美しかった。