最近出た仕事など

bakuhatugoro2006-07-11



●KKベストセラーズから出てる『CIRCUS』という男性誌で、「30代のオレたちが熱狂した角川映画クロニクル」という小特集を奈落一騎君と一緒に書いています。http://www.kk-bestsellers.com/magazine/circus/index.htm
ページ数の関係もあって、各作品の解説をしてられなかったため、意味不明だけどアタックだけはやたらに強い印象コピーのパッチワーク風な、不思議なテイストの記事になってしまった。



●『音楽誌が書かないJポップ批評43 21世紀のBOOWY伝説』に、「BOOWY、オザキ、ブルーハーツ 教室の中のロック革命」という一文を寄せています。
80年代中庸の「日本のロック」メジャーブレイクの立役者である3者、といってもブルハはともかく前者二組はピンと来づらいかと思うけど、その辺り、当時リアルタイム組の実感を教室の人間関係の記憶をまじえて綴っています。
自分の場合、逆にブルハが微妙に直撃世代からずれているので、彼らの登場時の違和感と現在に至る断層にスポットを当てた書き方になっています。
プロのアーティストとしてのスタンスが固まる前にデビューし、「自分」と「音楽表現」の距離の揺れや試行錯誤が、そのまま生々しさとして新鮮だった尾崎の後に触れたため、インディーでしっかりキャリアを積み、良くも悪くも打ち出しが意識的、客ともしっかり距離取りつつ馴れ合えていたブルハが、逆に予定調和的な欺瞞と感じられてしまった個人的な事情もあって、今回も彼らに対しては少し辛目の書き方になってしまった。ただ、ブルハに関しては過大評価の道筋が付きすぎているとも常々感じるし、ひとつの相対化材料として、後は聴き手それぞれの体験で補強してもらえればと思っています。

音楽誌が書かないJポップ批評 (43) 21世紀のBOOWY伝説 (別冊宝島 (1322))

音楽誌が書かないJポップ批評 (43) 21世紀のBOOWY伝説 (別冊宝島 (1322))



●『ロック画報24 We Love You! カーネーション』に、萩原健一のDVD2枚『’83シャンティ・シャンティ・武道館ライブ』と『’サンキュー・マイ・ディア・フレンズ・ライブ』のレビューを書いています。
6,70年代の日本のロックや歌謡曲に比べて、80年代ロックの音というのはビンテージ感が弱い分若い世代へのフックが弱い。加えて、80年代のショーケンっていうのは、70年代のデラシネイメージに対して、映画での渋い演技派ぶりとロッカーとしての超個性派ぶりが(外目には)分裂していて分かりにくいらしい(現在の所謂サブカルというか、「若者文化」の枠を設定しない、時代的にも「成熟」を志向した活動ぶりだったことも、わかりにくさの大きな原因になっていると思う)。そうした「憑依型アーティスト」としての彼の魅力を体感するには、こうしたLIVE映像こそが格好だ、といった感じで紹介してみたのだが、実際は俳優としてもミュージシャンとしてもこの頃のショーケンこそが油の乗り切った絶頂期であるという、リアルタイム世代には大前提である事実が却って伝わりにくかったかもしれない。
とにかく、彼については現在の立ち場があんまり過ぎるので、キャリア通してのまとまった再評価の機会を常に狙っているんだけど...

ロック画報 (24)

ロック画報 (24)