藤沢秀行

bakuhatugoro2005-02-20



一昨日の金曜夜、歯痛でぼーっとした頭でテレビをパチパチやってると、NHKの「にんげんドキュメント」という番組で、囲碁藤沢秀行夫妻のことをやっているじゃないか!
(途中からの視聴になってしまったのがまったく残念! どなたか録画されてませんか?)
囲碁については全くの門外漢なのだが、将棋の芹沢九段の追悼記『男の花道』はじめ、色川武大のエッセイにオールドファッションの勝負師のスケールの大きさ、無頼ぶりを代表するような人物として何度か登場し、強く印象が残っていた。


しかし、芹さんもこの人にだけは逆らえない大先輩として登場していたから、少なくとも70代、下手したら80歳行ってるんじゃないだろうか? 「これが最期」と言い続けながら月一回やっている私塾で、既に碁界の大物となった門弟に「小さい碁を打つな! 夢を持て!!」と怒鳴りまくり、スナックに繰り出して歌った後は、「これから銀座に行こう」と、同行のレポーターを困らせる。晩年の勝新のごとく、自身の無頼派キャラに殉じたサービスでもあるのだろうけれど、ここまで貫かれてると見事としか言いようがない。家族やヘルパーに囲まれた好々爺状態なんて、絶対あり得ないもんな...


芹さんタイプの、センシティブさの裏返し、虚勢のポーズとしての「無頼」も僕は好きだけれど、元々気力、体力共に図抜けている、無尽蔵の情熱を持った「生まれながらにスケールのでかい人」っていうのは、やはり見てて気持ちが良い(でも一番感動したのは、年齢と2度のガン手術によってフィジカルな条件が失われても、まったく言動が変わらなかったことだ)。「イメージと実像のギャップに苦しんだ...」なんて常套句がアホらしくなってくるよ...