ショーケン逮捕


昼の各ワイドショー、録画して見ました。
弱り目に祟り目というか、ここぞとばかりに叩かれてるなあ...
特に、TBS「インサイト」の辛 淑玉は酷かった。


昔気質のオヤジが現在に順応し損ねて孤立した結果、みたいな解釈が番組でもなされていて、それはかなりその通りだとも思うし、単純に勢いある頃は通ってた我侭が通らなくなったとか、ショーケン自体が不遇やコンディションの不良からこじれちゃってる部分も確かにあると思う。
というか、あの映像見てれば、誰だって普通にわかる。


それを、傘にかかって「今」叩かなきゃならない理由が何処にあるのか、俺には理解できません。
というか、そこを差し引いた上でも、わがままで無茶で思い込み過剰で、出鱈目がそのまま魅力に転化してしまうような彼だったから成立したような映画が、いったい何本あったことか。


例えば神代辰巳と組んだ「恋文」での、昔の女が不治の病だと聞いて、彼女と結婚してやるために嫁さんに離婚を切りだすような、スケベで身勝手で我侭で、テメエの甘ったれかげんにてんで無自覚な出鱈目ダメ男のショーケンを見て、「だけどカワイイから許す」なんて理不尽な感情を持った婦女子なんかも多かったはず。


もともとショーケンや彼の歌や映画がお気に召さなかった方々に関しては、まあ仕方がない。
俺たちとは縁の無かった人だと諦める。
彼の現在の醜態(と見える部分)や我侭を、倫理的に叩くのも、うるせえなとは思うけど、まあ仕方ない。
そういった世の華やぎと背中合わせの暴力に、傷ついている人も多いはずだから、それを好きになれないって人がいるのは仕方ない。
弱い者が恨んだり妬んだりすることは、ある程度仕方の無いことだと思っているけれど、ただ同時に、そうした自分の動機を自覚しないまま、自分の都合で人間性ってものを狭く限定してしまってはつまらないし、それに溺れて底に紛れ込んだ自分のエゴを正当化してしまうと(そしてそれが正義としてまかり通る空気が出来てしまうと)、とても暴力的で窮屈なことになると思う。


(あと、瞬きしないとか、顔の変化を追うとか、そういった彼の「オカシサ」を指差して面白がってるサブカル馬鹿みたいな連中も。苛められっ子が安全な所で調子付いてるみたいな恥知らずさが薄汚い)


彼や彼の関わった作品に一度でも魅了されたことのある僕たちは、重々そこのところを忘れるべきじゃないと思う。