『ライブエイドの軌跡 80年代の音楽状況を検証する旅』(宝島社)


こちらには、「日本のシーンにおける影響」という一文を寄せております。


テーマの関係で、あまりライブエイドそのものに触れられなかったのでここで少し。
こちらを読んでくださっているみなさんはご存知のとおり、個人的には直情傾向のロック体質からスタートしてるため、本格的に洋楽ロックに深入りしたのはその後のCDへの切り替わりで6、70年代のロックが大量に再発されてからで、当時のMTV洋楽にはほとんどはまれず(それだけに、当時リアルタイムで大好きだった数少ないバンドの一つであるプリテンダーズの演奏が、日本側のスクエア(!)のスタジオライブのためにカットされて、まる1曲分さえもたなかったのにはかなり頭にきた記憶あり)。
それでも、シネクラブに入ってたビートルマニアだったので、ポールの登場は心待ちにしてました(それだけに、マイクトラブルはショックだった。そういえば番組中、リンゴ出演の「シュエップス」のCMも流れてましたね)。
個人的にいちばん大きかったのは、ディラン初体験。弦を切ったディランにさっと自分のギターをわたすロン・ウッドにもシビレた。フーは、放送トラブルもあって当時はイマイチだったけど、今回久々に見返すとロックオデッセイの力演とも重なる頑なな爆発ぶりに、ちょっと胸が熱くなりました。


全体見返してあらためて思ったのは、いろんなリバイバルブームが繰り返されて、ここまで時代性ぐちゃぐちゃ何でもありになると、かえって純粋なアーティストパワーが浮き彫りになるなってこと。特別に思い入れがあるわけじゃないけれど、この時のクイーンはやっぱりスゴイ(当時南アでライブやったとか、ライブのノリがファシズム的だとか、政治的な脇の甘さをチクチク叩かれがちだったけど、そんなの本当にどうでもいいよ)。
あと、当時はシブすぎてわからなかったけど、ホール&オーツと競演したテンプテーションズの2人、声も身のこなしも艶っぽすぎ!圧倒的です。


ライヴ・エイドの軌跡―80年代の音楽状況を検証する旅

ライヴ・エイドの軌跡―80年代の音楽状況を検証する旅