風流

やれやれと、賢しらな憂い顔や義憤を、建て前や通念に添って安全に程よくのぞかせながら、市井の庶民性をさりげなく美化しそちらに付く顔をする、裏返しのスノビズム。しかし、それらが孕む半面の悪は決して指摘も批判もしない。リスクを取るだけの倫理が無い(要は、ただの「いいとこ付き」だ)。バランスのよい大人の顔をした、小賢いだけのこういう俗物が本当に嫌いだ。

坂口安吾が「風流」と呼んだもの。