2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

出来ることを見極めて力を尽くす

自分抱えているの不幸に対して周囲があまりに無関心だと、孤独感が高じて虚無的になりがちだけれど、やはりそれでも、誰より誰がより不幸かというのは最終的には主観の問題ということになる。自分より不幸な人に対する配慮というのは、だからごく大切なこと…

福田恆存「「妻の座」という言葉を捨てよ」について

「私は男女・夫妻の平等に反対してゐるのではない。女性の解放は女性が目醒める事によつて可能になるといふのは浅薄な知見であつて、それにはまづ男性が目醒め、納得してくれなければ、どうにもならぬのである。男女・夫婦の間柄は労使の対立とは異なつて、…

読書は一生がかり

通院の待ち時間に、芥川龍之介『舞踏会』を読む。帰りに、いつも竹の子生活でお世話になりっぱなしの音羽館で、岩波文庫のチェーホフ3冊と、ガスカール『種子』。何だか学生時代に戻ったような読書だが、楽しい。 しかし、学生時代は殆どの本を、何もわから…

石田衣良編『危険なマッチ箱』(文春文庫)

彼の著書を読んだことが無く、たまたま見つけたまったく未知のアンソロジーだけれど、意外にも(失礼!)面白いセレクト(乱歩や星新一のような大メジャーから、俳人の西東三鬼まで)。編者のコメントも率直で良かった。「アフォリズムはいかにシャープでも、な…

泉麻人編『おすもうさんのおしり』(福武文庫)

相撲についての小文アンソロジー。趣味的に固め過ぎていない、緩くて自由で、けれど一編一編が粒立っている好アンソロジーだった。しかし、フラットであることがお洒落だった時代らしい、ストレートに柔らかさを主張するタイトルだけで、ズシンと手応えのあ…