2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ミュージックトマトの思い出(その2)

鬼頭径五 https://m.youtube.com/watch?v=DMNMJjs73XA&feature=youtu.beエレファントカシマシと同時期にソニーからデビューした人。ミュージックトマトでやたらにこの曲のPVがヘビロテされていて、いったい何者なんだ?と、友達と曲ではなくお名前について、…

鮎川さんのことを中心に、個人的めんたいビート体験の話(Twitterでの会話から)

うちの実家は本当に田舎だったので、中学や高校でバンドやってる連中はみんな当時流行ってたジャパメタ好きで。メタルって様式とテクニックを追求するジャンルだから、カウンターカルチャーとかアングラな気分とははっきり切れてるんですよね。それで、パン…

少年時代のマンガ&アニメ遍歴

確かに『がきデカ』、有名作だった割に、同年代の子供で熱心に読んでた友達、当時はいなかった(自分はいまだに食指が伸びず未読。積極的にはまるほどには、ギャグへの思い入れが濃くないのかも…)。何故だろう?ギャグマンガは鮮度が落ちちゃうのが早いという…

唐十郎「色川武大を演じられるのか」(「海燕」91年5月号)

色川武大氏の舎弟と思っている人は、かなりの数で、僕は遅れてきたファンだった。あの時は、僕の「下谷万年町物語」という芝居の打ち上げ楽日で、『ハードボイルドだど』の流行語を、昔はやらせたコメディアンのKさんが、色川さんと飲んでいた。「話の特集」…

藤沢映子「尾崎豊・賛否両論!生身の19歳。「彼」についてのある考察。」(パチパチ85年6月号)

ニューヨーク、52ndストリート、7thアベニュー、紀伊国屋ブックショップ。尾崎豊はパチパチNo.5を立ち読みしている。そのころ編集部には、日本各地の書店でパチパチNo.5を手にした人たちから、何十通という手紙が届いていた。私個人宛のものから「尾崎豊係」…

左翼はいつ「反スタ」を忘れたのか?

かつては反帝反スタが左翼の定番スローガンだったはずが、いつの間にか反スタが消えて、あまつさえ左の全体主義化の指摘を過敏に嫌うようになったのはいつからだろう。消費社会の恩恵で一度なし崩しに消えかけていたために、歴史の連続性が断たれて党派性の…

駄菓子を食わなかった子供たち

手塚先生、僕らの世代だと、まだ週刊マンガ誌を毎週読むような財力は無かった小学生の頃、初めて買ったマンガが『ブラックジャック』というヤツは多かった。『サンボーグ009』『ドカベン』あたりと並んで。藤子不二雄もコロコロ創刊とアニメ化による『ドラえ…

蛸壷の中から庶民を憎む純粋培養インテリたち

https://blog.goo.ne.jp/mangaya0022漫画屋ブログの塩山さんの、「左右社や今の晶文社は誰を対象にしているのかわからない」という感慨。少し深めた考察を読んでみたい。釈迦に説法のような話だが、今の邦画もそうだけれど、ジャンルや業界そのものが左前に…

『虫喰仙次』の社内世間描写の迫力

「役員になってからの彼は精彩を発揮していないようだった。断交の席で切れが悪い。多分、鳥でも獣でもない心境で煮え切らないのであろうが、彼は表情を内攻させてしまうからわかりにくい。以前とちがって大学出で入社競争をしのいできたばかりの若い組合員…

労使交渉が成立しない理由

我々の社会で労使交渉がうまく成立しないのは当然なんだ。自分の世間の外の問題や不正ならいくらでも批評も非難も出来るけれど、所属している場所の内部の問題は話が別。経営者対労働者なんて対等であるわけが無いんだから(大企業に限ったことでなく、中小の…

世間の中で書くことのジレンマ

基本的に自分は、全員一致の世間で不安な思いをしたり、曖昧な無責任を耐え難く思って自分や周囲を疑い考えてしまう少数の人(或いは、考え方の理路が必要になっている人のある時期)に向けて書いているのだけれど、まず僕自身がこうした世間の無責任を嫌いで…

それでも、全員一致の心性は揺らがない気がする…(色川武大『鍵』の抜き書きから)

「…表面はすこしも実直ではないが、体質としては農耕人的で、まいとし、同じ場所で種をまき、やがて収穫を得る、その反復をつづけていくことを軸に生きている。雨が降ろうと槍が降ろうと、軸のところではそうしているだけである。そうして新しい、乃至は異な…

全員(大多数、世間一般)一致の建て前で押すのはもうキツいのではないか?

ネットや活字できっぱりした主張をしている人々も、そうした論争を遠巻きに「一部のおかしな連中」として冷たく見ている(しかし、潮目が決まれば勝ち馬に素早く乗る)人々のことを視野に入れた方が(彼等のあり方をどう考えるかを意識した方が)いいと思う。多…

くらもちふさこ×紡木たく対談

https://books.shueisha.co.jp/info/comics/187.html 数年前に出た、くらもちふさこのアンソロジー『くらもち本』に収録されていたくらもちふさこ×紡木たく対談のボーナストラック。こんなスバラシイものがネット上にあるとはまったく気付いていなかった。紡…

マンガの作風と連載ペースについて

『一ノ瀬家の大罪』面白いし好きのだけれど、ワンエピソードの解決が駆け足なのがちょっと気になっている。家族全員のエピソードを何周もしながら、各々の事情や関係を多面的、重層的に深めていくのだろうと想像しているけれど、週刊連載の事情から毎回盛り…

Eテレ小林信彦×細野晴臣

Eテレのスウィッチインタビュー見た。細野さん、しばらく見ないうちに藤子A先生のキャラクターみたいな風貌に。でも、とても行き届いた柔らかい話ぶり。自信家特有のアクのようなものが消えて、すっかり上品なおじいさんだ。信彦翁は、ともかくよく出て来る…

泉谷は今も変わらずまとも過ぎる哀しいおじさん

「オレには嫌いなヤツがいっぱいいる。殴りたくなるヤツもいっぱいいる。それに、生理的に受け付けないっていうヤツもいっぱいいる。「万人を愛せ、差別をするな」って言われても、それはムズカシイわい。差別をなくそうっていう意識は大事だし、オレも努力…

ネット世論と暮らしの保身は大抵ダブルスタンダード

目に見えやすい政治的な意見とか主張というのは、その時の気持ちの昂りから為されることが多い。そうした声の半面でシラフの時、一人一人は「それはそれとして」自分の生活や具体的な損得を考える。呼吸をするように無意識に、使いわけている。加えて、同質…

自分の為にだけ生きる頼りなさ

自分のためだけに生きるというのは、慣れてしまうと味気ないものだ。他人の役に立ち評価されている感覚が、人の生きる甲斐になる。しかし、自分のためと他人のためを頭で考えていくと非常に難しいから、理想的には仕事を通して(現場の共同性を含め)、他人や…

イメージ嫌いにとってのイメージの必要

泉谷しげる『キャラは自分で作る』を読んでいて、対外的なイメージ作りについて、いろいろ考えてしまう。タイトルに反し泉谷自身は、自分が作ってきた「野蛮な下層男性の味方」というキャラクターイメージに殆ど頓着していない。イメージに頓着しないだけで…

色川武大『たすけておくれ』より

「自分であれ他人であれ、一度ミスをおかしたら、助けてくれるものは何もないのだという現実に誰でも直面してしまう。だから寛大にならざるを得ないのである。この世は自然の定理のみ。神仏など居ない。そんなことは数千万年前の人間だってわかっておったこ…

ヒューマニズムに縋らない優しさ

「阿佐田哲也さんは、神様ではあったが、恐れおおい神様ではなく暖かく、気のおけない神様であった。この国で指折りの私小説家色川武大として知られるようになってからも、以前とまるで変らず、「文豪」によくみられる緊張感を他人にまるで感じさせなかった…

泉谷しげる『キャラは自分で作る』

最寄りの今野書店で、『キャプテン2』7巻と、泉谷しげる『キャラは自分で作る』(幻冬舎新書)を。近年、洋楽のロックジャイアント達の自伝にとても充実した内容のものが多く、日本でもインタビューや評伝でなく、アーティスト当人たちによる時間をかけた回想…

迷いや混乱に耐えるべき時

このところ、尾崎豊の初期の4枚をよく聴いている。この頃までの彼を嫌いになったことは無いけれど、日常的に当たり前に聴くようになったのは高校生の頃以来だと思う。当時はあてどないヘビーな気持ちを重ねるように、他によすがが無くしがみつくように聴いて…

二流のエリートは下品になる

「飲む打つ買うは、下卑た男の欲望」ねえ…。あなたも男だと思うのだが、いったいどういう立場でこういう言葉を使っているのだろうか。臆病な卑怯者は、息を吸うように欺瞞をはたらく。大手出版社に入ったものの、写真週刊誌に配属され、ルサンチマンを正当化…

人々は分断など痛くも痒くも無い

今のように、俄かに政治や思想への関心が高まって、考え方が割れてしまっていると、辛い思いをしている人が多いのではないか、という見方を書いてきたけれど、実のところそうでは無いのではないか?という気がしてきている。何が善きことかを問いながら、様…

CSN「木の舟」と2人のアンサーソング

「木の舟」 https://m.youtube.com/watch?v=cUV7U4I0WBo&feature=youtu.be ニール・ヤング「ヒッピードリーム」https://m.youtube.com/watch?v=Bcj9WVpXkNc&feature=youtu.be ジャクソン・ブラウン「フォーエブリマン」https://m.youtube.com/watch?v=eAd80V…

ミュージックトマト

YouTubeで見つけた個人的ナツメロ何曲か。夜中にやってたビデオクリップ番組ミュージックトマトで見て、レコードを買うまでは行かなかったけれど、耳を楽しませてくれて記憶に残っている曲たち。こうして記憶を辿ってみると、この番組、音楽雑誌類以上に、日…

正解は他者との間に探るもの

人間関係(や、その延長にある社会)における正解は、あらかじめどこかに存在するのではなく、具体的な相手との間にある。なかなかまとめ難い多面的な気持ちを意識しながら、自分にとっての優先事と、お互いにとってなるべく納得出来る落としどころを探る営為…

権威に従順な人間ばかり増やしてどうする?

https://natalie.mu/music/news/508381 信彦翁90才か…。語る佇まいをじかに見られるのは嬉しく貴重なことだけれど、一方、メディアから発信され提示されるものが、極端な(しかし客観を装った)政治オピニオンと、趣味の権威にだけ偏し過ぎているのは、やはり…